拙い連携は混乱を生むのでしっかりお互いを知ることが大事:こども食堂店主のひとりごと

店主のひとりごと

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

今回のテーマは『拙い連携は混乱を生む』。

 

この言葉は漫画「HUNTER × HUNTER」の中で出てくるセリフ。

 

他にもたくさん名ゼリフが出てくる、年単位で休載してもファンが離れるどころかむしろ増え続けてるほどの超人気漫画。

その中で、幻影旅団(クモ)を暗殺するためにいろんなマフィアの殺し屋が集結した。みんなそれぞれ腕は一流だけど、クモは強敵なので手を組んで作戦を実行しようと言い出した。クラピカはそれを「拙い連携は混乱を生む」と言って拒否した。

「拙い」は能力が劣っているとかそんな意味。

腕は一流だけどそれぞれお互いのことをよく知らないまま手を組むとどこかで混乱が生まれる。

 

なぜかこのセリフが妙に心に残った。

 

それはたぶん過去に自分がそういう経験をしたからなんだろうなと思う。

同じ目的地に向かってるハズなのに、お互いのことをよく理解してないから行動がチグハグになったりする。

 

分かりやすかったのがバンド活動だった。

 

メジャーデビューという明確な目標があってみんなそれぞれ想いを抱いて練習したり研究したり切磋琢磨してチームを組むのがバンド。

プロとして活動してるバンドはたくさんいるけれど、本気でメジャーデビューを目指すってなるとだいたいの人が「そんなのひと握りだ」とか「おまえにゃ無理だ」とか否定的なことを言う。

中には本気で応援してくれる人もいるけど、わりと少数派。

 

そんな環境なので、相当の覚悟がないとメジャーデビューなんて夢のまた夢だ。

よっぽど個々の熱量がないと挫折する。

 

僕がバンドを組んだ時は20歳ぐらい。メンバーの皆さまも同じ世代で、それぞれ約20年ぐらいまったく違う環境で生きてきた人間が4人も集まった。

だから聴いてきた音楽も考え方も生き方もバラバラだ。

しかもバンドでプロを目指そうって本気で考えてる人ってこだわりが強い人が多い。

そんな人が集まるのだから、衝突は避けられない。

だからこそ緻密なコミュニケーションをとって連携を深めないと崩壊する。

 

そのうえで個々でやることもたくさんある。

それぞれの演奏の技術を上げるのはもちろん、4人で合わせる練習をたくさんしたり、曲を作ったり、どうやって認知を広げていくかとか、集客の作戦を練ったり。

 

やることが山ほどあるので、いろんな壁を乗り越えないといけない。

 

それぞれが同じ熱量で動かないと「おれここまで考えてやってるのになんでやらんの?」と、イライラして衝突が起きたりする。

 

僕はたぶんその熱量はうっとおしいぐらい持っていたので、なんでもっとちゃんとしないんだろう?とか、なんでもっと音楽のことを考えないんだろう?とか、メンバーの皆さまにイライラすることが多かった。

向こうは向こうでそう思ってたのかもしれないけど。笑

 

この時の僕の心は閉ざしてしまっていて、限界突破しないと口に出せない臆病者だったから、少しずつそのストレスがたまっていった。

 

そしてためたストレスがユニバーサルスタジオで一気に爆発した。

バンドの皆さまでユニバに行こうという話になって、朝から出かけた。

その時に何がキッカケでそうなったのか思い出せないけど、僕の中で何かが爆発して荒れ狂って暴れまわった。

テラス席のイスやゴミ箱を蹴り飛ばしたり、他のお客さまに大迷惑。

メンバーが止めに入ってもそれを振り切って、とにかく普段ためてたものが一気に爆発したのか自分でも止めようがなかった。

その時たぶんまだお昼ぐらい。

なんとか落ち着いたものの、もはや遊ぶ雰囲気なんかじゃなく、即帰宅。

そこで話し合いをしてみんなで腹を割ってそれぞれの考えを言い合った。

なんとか和解したものの、それでも僕の心は開放したわけではなく、結局それぞれの考え方の違いとかその他いろんなことがあって解散した。

 

拙い連携っていうのはまさにこのことで、人はそれぞれ感覚が違うから想いの強さも熱量も全然違うことが原因。

 

それを解消するためにはお互いがお互いを知るしかない。

 

どんなことを考えてるのか、何に対してテンションが上がるのか、好きな食べ物は、趣味は、などなど、お見合いかよっていうぐらい…いや、むしろそれ以上にいろんなことを細かく知っておいた方がいい。

 

そうすることによって性格とか人間性みたいな、その人の深いところまでも知ることができる。

 

いや、むしろ知る必要がある。

 

そうしないとどこかで必ず混乱が起きる。

 

僕のバンドの場合はユニバ事件でお互いの腹を割ることに成功したものの、結局その後も僕自身の心が開くことがなく、連携がうまくいかなったので、それで瓦解してしまった。

 

あの時、もっと心を開いてちゃんと思ったことを口にできていたらもっと分かり合えてたのかなぁって思ったりもする。

 

まぁ、だからこその今があるって考えたら、あれはあれでよかったんだな、とも思う。

 

過去は変えられないし、今の自分はわりと好きなので戻りたいなんて1ミリも思わないけど、どうにかなってたのかなぁなんて考えることもある。

 

人と何かを一緒にやる時は連携の土台作りをしっかりしないとすぐに崩れてしまう。

 

それも年齢を重ねていれば重ねているほど。

 

各々に積み重ねてきたものがあるから、それをも深く知る必要がある。

 

じゃないと混乱が生まれる。

 

そんなことをふと思った今日この頃。

 

ご清聴ありがとうございました。

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