おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてんだ!』。
ドラマ・踊る大捜査線の名ゼリフ。
先日、ふたりのお若い男性のお客様がこられた。
おふたりは職場の先輩後輩の間柄で、児童養護施設でこどもたちのお世話をするお仕事をしているとのこと。
こどもたちを相手にするところが共通していたので親近感がわいたのでアレコレ聞いてみたいと思い、普段はあまり自分からはしゃべりかけることはないのだけれど、この時ばかりは自ら積極的にしゃべりかけてみた。
おふたりの内、後輩の方はまだ就職して1年目のルーキーでお悩みが尽きないご様子。
食事をすませ、お酒も進んできたところでルーキークンの不満が少しずつむき出しになってきた。
彼の仕事はこどもたちを相手にすること。
それも高校生までの子どもなので、そりゃあもう自由気ままにやりたい放題だわさ。
我が虎吉に来てくれる子どもたちも自由奔放にやりたい放題やってくれておる。
でも我が虎吉の場合は僕が責任者なので僕もやりたい放題やっていつも子どもたちと戯れていて、ストレスフリーの状態でやってるのが全然違うところ。
しかしっ。
当のルーキークンはまだ入りたての1年目で右も左もわからない状態。いわばひよっこ。ぺーぺーでだ。
強い志を持ってはいるものの、それをそのまま思うがままに実行できるかというとそうでもない。
彼は組織に属するいち職員。
先輩方がたくさんいらっしゃる。
なんならルーキーなので先輩しかいない。
先輩方はルーキークンに思う通りにやらせてたらよくないことが起こると言わんばかりに、彼を押さえつけるそう。
しかし彼は言う。
「僕がこどもたちと直で接してるのに何も知らない上司が文句ばっかり言ってくる」
と。
えぇ。
おっしゃる通り。
現場の空気はそこにいる人にしかわからないもの。
上司の方はルーキークンに比べて現場に立つことは少ないご様子。
そりゃー上司になるぐらいだから知識も経験もルーキークンに比べたら段違いなんだろう。
でも。
いくら知識がたくさんあろうが経験をたくさん積んでようが、その経験通りにコトが進むと思ったらそこは大間違い。
時代が変われば考え方も変わる。
1年違えばこどもたちはこっちの予想をはるかに超える成長を見せてくれることだってある。
1年前までそんなこと考えれるやつじゃなかったのに…。
なんてこともしょっちゅうあるので、こどもの成長速度ってはかり知れない。
まさに事件は会議室で起きてるんじゃなくて現場で起きてんだよ。
現場の空気を吸わないとわからないことがたくさんある。
ルーキークンが思うようにやりたいのであればそのように思いっきりやらせて失敗させればイイ。
その責任を負うのが上司の仕事。
アレコレ口を出すのはその失敗が落ち着いてから諭すようにじゃないと。
なんなら別に口出さないでそっと見守ってあげる方がいい。
そしたらたぶんまた何回か同じような失敗は繰り返すから。
そうやって人は少しずつ成長していくもの。
アレコレ口を出すのは部下が成長しようとしてない時と方向を見誤ってる時ぐらいでイイ。
やることなすこといちいちアレコレ口を出してルーキークンを押さえつけてしまったら、萎縮してしまっていいパフォーマンスが発揮できない。
いつも上司の顔色ばかりうかがってるようなクソつまらない人間になってしまう。
そうなると、それまで懐いてたこどもが「なんかおかしいな?」ってなってルーキークンとの間に変な壁ができてしまう。
それってその施設の目的を達成できてるのか?
もはや本来の目的を見失ってしまって組織としての機能を果たすことができない。
話を聞くとその上司の仕事は中間管理。
中間管理職にありがちなパターン。
現場の第一線でやってたころの気持ちを忘れてしまって部下に自分がされたことをやってしまってるという。
我が国ニッポンの津々浦々、至る所で起こっている出来事だ。
彼の上司がどんな人間なのかは知らないけど、ルーキークンのことを思うがゆえに取っている行動である可能性もゼロとは言い難い。
そうだとしたら、ルーキークンはものすごく空回りしてることになるけど、でもその時点で上司としては失格だ。
ルーキークンは何も悪くない。
彼は自分のやるべきことをしっかり自分で判断して一生懸命取り組もうとしているご様子。
非があるとすれば上司に対して何も自分の思いを打ち明けてないところ。
でもそれすらも上司だったら気を配ってやれよ、と思ってしまうけど。
必要なのは話し合い。
お互いの意思確認が必要だ。
業務時間内だと深く話し込むことはなかなかできないので、仕事終わりとかにゆっくりコミュニケーションをとる場を作る必要がありそう。
でも彼の上司は仕事は仕事、プライベートはプライベートでキッチリ分けたい人で、そんな時間はなかなかとらせてくれないのだとか。#こういうとこよね
でもこれからも一緒に仕事をしていくのであれば、ルーキークンと上司の意思疎通ができてないと、ルーキークンは早期に辞めてしまうだろう。
まだ1年足らずのこの段階でかなりストレスがたまっており、不満爆発だったもの。
仕事を辞めるか人間を辞めるか。
どっちかの選択に迫られる日がいずれきてしまうことだろう。
でもその施設に就職して、こうしてセンパイと飲みに行ける環境っていうのはすごく有り難いことだし、何かしらのご縁だと思う。
そこに対しての気持ちはあると申しておりましたゆえ、だったらこのまま不満を自分の中だけにとどめておくのではなく、上司にぶつけてしまった方がいいのではないか、と提案してみた。
感謝の気持ちがあるのにストレスを感じてるっていうのはいずれ精神が崩壊してしまう。
人間を辞めるっていうのはこういうことよね。
心を失ってしまったら人間じゃなくなってしまう。
仮に上司に不満をぶつけてみて上司がわけのわからんことをほざいてたら、その時はおれが説教するから連れてきて、と。
それでもダメならその時に辞めてしまえばいい。
でもそれはあくまで最終手段。リーサルウェポン。
根気よく話せばわかることってたくさんあって、それをしないから関係が崩れてしまうっていうのはホントによくあること。このケースもまさしくそれで、腹割って話すことにビビってしまってるからこんなことになってしまってた。
何事もコミュニケーションをとるっていうのはすごく大切なことだな、と感じた出来事だった。
ご清聴ありがとうございました。
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