おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『こども食堂の立ち位置』。
こども食堂を運営して1年。
ホントにいろんなことがあった。
初めての飲食店、居酒屋での仕事。
お酒の種類がまったくわからないのに居酒屋をやるとか。
お客さんにお酒の手ほどきをしてもらうこともしばしば。
戸惑いしかなかったけど、少しずついろんな人たちに支えられ、愛されるようになって、常連さんと呼べる人も増えてきた。
ややこしいお客さんもたまにいらっしゃる。飲みすぎてオラオラしてくるおっさんとか。
でも、ホントにたまに来るぐらいなので問題はナッスィング。
オープン初日にあんな大事件が起こるとは思ってもみなかったけど、アレがあったからこそそれ以降のことなんてどうでもいいぐらい軽いものに思える。笑
こどもたちもたくさん来るようになった。
そしてこども絡みのトラブルはわりとあった。
SNSでバズるということも経験させてもらった。
それが全国各地の人たちに知ってもらうキッカケになって、いろんな人が虎吉に来てくれた。
わざわざこんな大阪の茨木市まで。。。
ありがたや〜。
いろんなできごとがある中で、こども食堂に対する考え方が180度ぐらい変わった。
最初、始める前はこども食堂っていうものは貧困とかで満足に食事にありつけないこどもが利用するものだと思ってた。
決して間違いではないと思うんだけど。
地域性とかいろんな要素があると思うんだけど。
虎吉に関してはそういったこどもは来ていない。
実際のところどうなのかがわからない、と言った方がいいかもしれない。
なんせこどもにとっても親にとってもそれはすごくデリケートな問題で、軽々しく口にできることじゃない。
たくさんこどもが来てる中で、自分の家がそういう状況にあるっていうことを友達とかに知られたくない、と思うのが普通かな、と。
実際にそういう保護者はいた。
「私の家はちゃんと仕事もしてるし、うちの子がこんなこども食堂に通ってるなんてことが知られてしまったら恥ずかしいんです」
だとよ。こんなて。
その時点ではもう考えかたが120度ぐらい変わってたから、何言ってんだ?こいつは?ってハテナしか飛ばなかったし、なんて失礼なことを言うんだこのババアは。
でもやっぱりそういうイメージを持ってる人は一定数いらっしゃるから、僕の考えは間違ってはいない。
貧しいなんて事実を知られたくない、と思うのが普通だ。
それに気づいたらなおさら実際のところはわからないものを追及したところで何かが生まれる可能性は限りなく低い。
ひとつだけ言えるのは、こどもたちはすごく楽しそうに過ごしていること。
素の姿をみせて、自然体でいてくれてること。
やってるうちにこどもたちのそういう姿をみるようになってこれこそがこども食堂の本来の姿なのでは?
と思い始めた。
来てるこどもが貧困家庭なのかなんてわからないし、もしそういう子がいたとしても、それをおおっぴらには言いにくい。
しかも仮にこっそり来てたとしても、それって機能的なところで利用してるだけ。
マクドナルドとかと何ら変わりない。違うところといえば無料なだけだ。
そんなチェーン店みたいなお店にしようと思って始めたわけじゃない。
人間の温かみを感じれる場所にしたい
そう思って始めたお店だ。
それに食事だけに関して言えば、わざわざお店に出向くと、僕を含めいろんな人に貧困がバレる可能性が高くなるから、自宅にいて食事が届く、とかの方がいい。
実際にそういうサービスはあるから、そういう意味での役割はそちらに任せた方がいい。
虎吉でできることはこどもたちが素を出せる場所になること。
心の拠り所になること。
ハッキリそうみえたのは、こどもたちが特に用事もないのに虎吉に遊びにきてくれた時。
塾の帰りにちょっと寄ってお水だけ飲んでいくとか。笑
学校の帰りに寄ってちょっとしゃべって帰るとか。
もっとひどいのはドアを開けて「よっ!」とか言ってすぐ帰る。なんじゃそら。笑
食事することだけが目的じゃない。
食事をした後に、ゲームをしたりYouTubeをみたりしてただなんとなく時間を過ごす。
そういう時間がすごく大切なんじゃないか、と。
家だと親が「やれ勉強しろ」だの「ダラダラするな」だのいろいろイチャモンつけてくるから心の底からのんびりできない。学校や塾なんかはなおさらのんびりできるところじゃない。
今のこどもたちはいろんなしがらみの中で生きてる。
親や学校という、わけのわかんない大人たちに囲まれて生活する中で、素の自分を出せる場所がない子もいる。
大人たちの顔色を伺ってばかりで息苦しそう。
家と学校という、狭い世界でしか生きてない。
そんなこどもたちが虎吉で素の自分を爆発させてアホみたいに(おいw)息抜きしてる。
いろんな世界も知ることができる。
もっと早いうちからいろんな世界があることを知った方がいい。
中学生ラッパーの「ZIPPO」は虎吉で自分の夢を見出した。
そこからいろんな大人たちを巻き込んで、目標に向かってがむしゃらに頑張ってる。
出会った頃とはまるで別人のように目が輝き出した。
ヤツは今とても楽しそうに生きてる。
ZIPPOがそうなれたのも、虎吉で素の自分を出せるようになったっていうのが大きい。
なんでも言える環境だったからこそ音楽がやりたいっていう気持ちを僕に伝えれたんだと思うし、それはすごく誇らしい。
虎吉っていろんな可能性がある場所になろうとしてるんだな、と思った。
始めた頃は思いもよらなかったことだけど、その都度その都度軌道修正して、その時々の最善の方法を選んできたから今がある。
最初にこうだ、って決めつけて、そこに向かってだけ進んでたら決してこうはなってなかった。
これからもたぶんいろんなことが起きる。
なんならこどもだけじゃなく、大人の問題も浮上してきそうな予感。
その都度頭を柔軟にして考えていかないと。
ご清聴ありがとうございました。
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