おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『絵とワタシ』。
音楽と絵。
僕はどっちも同じぐらい好きで、どっちもお金をもらえるぐらいの技術にまで昇華した。
根っこが引きこもり気質なので、一旦面白いと思ったことはとことんやり続けてしまう。
音楽をやり始めたのは高校生の時だけど、絵は幼少期から描いてた。
よく描いてたのはドラゴンボールとドラえもん。
物心つく前からすでにドラえもんは上手く描けてた。
写真が手元にないのがホントに残念でならない。
でも物心ついてからは、ドラえもんを描いた記憶はあまりなくて、ドラゴンボールの絵をよく描いてた。
まわりの人たちに上手い上手いと言われてすごく気持ちが良くなった幼い僕は、その後もひたすら描き続けて、マンガ家になりたいと本気で思った。
小学6年生の時。
31ページのマンガを描いて「週刊少年ジャンプ」に投稿した。
今、思い出すだけでも恥ずかしくなるぐらい稚拙なストーリーだし絵も超ヘタクソだった。
もしかしたら実家とかにコピーしたものが残ってるかもしれないけど、絶対にみたくない。笑
そんなわけで投稿はしてみたものの、当然のごとく箸にも棒にもかからなかった。
そりゃーそうだ。
完全に井の中の蛙だった。
しかもマンガは絵が上手いだけでは成立しない。
ストーリーも考えないといけないし、キャラクター作りだってめちゃくちゃ大事だ。
絵以外のところで頭をめちゃくちゃ使わないと面白いマンガは描けないし、そんなこと全然考えてなかった。
そんなこと知る由もない僕は絵だけ上手ければマンガ家になれると思っていた。
でもそれすらも井の中の蛙で、その当時の僕の絵は小学生にしては少々上手いレベル。
僕より上手い人なんか星の数ほどいる。
橋にも棒にもかからなかったことにかなりのショックを受けた僕は、絵を描くことがイヤになった。
同時にバスケに夢中になっていった僕は絵を描くことから完全に離れてしまった。
…というよりも、まわりの目を気にしすぎて絵を描いてることが恥ずかしいと思うようになってしまった。
それからしばらく時が流れて音楽の道に目覚めてそっちにのめり込んでいった。
かくかくしかじかで音楽から少し離れたものの、どこかやり切れない気持ちでいた。
そんな中、紙とペンを持っていた時に、ふと昔絵が大好きでよく描いてたことを思い出した。
今ならもうちょっとマシな絵が描けるかなー?と何気なく描いてみたところ、自分でもビックリするぐらいの絵が描けた。
なんで???
全然絵なんか描いてなかったのに。
すごく不思議な感覚だった。
なぜそうなったのか原因をいろいろ考えてみたところ、音楽も絵も同じ「芸術」であることに気がついた。
音楽にのめり込んでた時に「芸術とはなんぞや」みたいなことをよく考えた。
芸術とは表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動を表す
Byウィキペディア先生
表現者っていうのは絵を描いたり音楽を奏でたりする人のこと。
表現物はその作品。
脳みそにはいろんな機能がある。
その中に芸術を担当する場所があるとしたら。
音楽と真剣に向き合った期間があるおかげで、僕の芸術脳はだいぶ磨かれたのかな、と思った。
だから10年以上絵を描いてなかったにもかかわらず素晴らしい絵が描けたのだと。
んで。
たぶん。
もっと言うと、音楽では練習してなくてもある日突然上手くなってることが多々あった。
たくさん練習を重ねてもなかなか上手くならないのに、練習をいったん中断して何日か放置してたら次に演奏した時に自分でもビックリするぐらい上手くなってることが。
これはたぶん体の中に練習量は蓄積したものの、まだ表面化してなくて、日を置いて寝かすことによって熟成して表面化したものなのかなと。#伝われw
それは絵も同じことが言えて、10年以上寝かせたからなんか変なものが熟成されたのかなーと。
音楽はいろんなしがらみがありすぎて、かつ精神的な弱さが出すぎて全然自分の思うようにできなかった。
いろんな人と深く関わらないと音楽は成り立たないのに、その当時の僕はかなり人間不信になっていた。
性格的に自分を出すことが苦手だったし。
そんな状態でいい音楽なんかできるわけがない。
その点。
絵は完全にひとりでできる。
人と関わるのは売ったり教えたりする時ぐらいで、そこまで深く関わらなくても大丈夫なのではないか…。
もしかしたら絵の方が向いてるのでは?
…とかなんとかいろいろ考えた。
でも僕の絵は色をつけてしまうと途端にヘタクソになる、と昔妹に言われたのを思い出した。
実際色をつけてみたら明らかにエンピツで描いた下描きだとクオリティが高いのに、色を塗った途端、完全にベツモノになってしまって絶望すら覚えた。
さて、どうしよう……。
白黒だけで表現できる絵は何かないものか。
……ん?
そんな絵あるのか……?
そんなことを思いながらも、どのみち絵を描くには画力が必要だろうと思い、絵の練習を始めた。
久しぶりに描いた絵が上手く描けたとはいえ、よくみたら荒削りもいいとこだ。
練習を積み重ねれば圧倒的な作品を生み出せることは音楽が教えてくれてたから、とにかく毎日毎日描きまくった。
それと同時にいろんな絵をみた。
絵だけじゃなく、風景とか映画とか写真とか、目から情報を得れるものはとにかくたくさんみた。
それを1枚の絵としてどう落とし込むかを考えたりするのが楽しかった。
音楽とはまた全然違った感覚で、すごく新鮮だった。
そんなことを考えると同時に、白黒だけで表現できる絵がないもんかと探した。
そういえば。
水墨画って墨と水だけで描いた絵だったような、、、。
ソッコーで調べてみたところ、いろんな水墨画がこの世の中にはあることがわかった。
しかもよくよく考えてみたら、一度描いてみたいと思ったことがあったことを思い出した。
僕は水墨画を描くことを決めた。
水墨画ならエンピツで描いたものをそのまま作品として落とし込める。
目標がハッキリすると筆の速度も上がって、みるみる上達していった。
だいぶ自信もついた。
でも小学生の時のようにまた井の中の蛙だったらヤダなと思い、腕試しに公募展に応募してみたところ、入賞した。
海外の公募展にも出したところ、そこでも入賞して、自分が描いた絵がいろんな場所で通用することがわかった。
いちばん嬉しかったことは、描いた絵が売れるようになったこと。
でも自分の描く絵のどこにそんな何十万ものお金を払う価値があるのかわからず、苦悩の日々が続いた。
だからしばらく絵を描くことからまた遠ざかってしまっている。
でもこども食堂を運営してる今、絵を描く時間がなかなかとれないからちょうどいい。
絵は歳をとってもできるものなので、いつでも描こうと思えば描ける。
手さえ動けば…っっ。
もう少し気持ちが落ち着いたらまた描きたいな。
ご清聴ありがとうございました。
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