【こども食堂の光と闇】こどもが礼儀がなってないのは親の責任:こども食堂店主のひとりごと

プロフィール
書いた人
torakchi

こども食堂【虎吉】店主。整体師。音楽家。水墨画家。バツ3。元女性風俗セラピスト。元PA(音響)。

torakchiをフォローする
店主のひとりごと

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

本日のテーマは『こども食堂の光と闇』。

 

こども食堂を始めておよそ1年半経った「虎吉」。

 

こども食堂のいろんな面をみた。

 

いいこともそうでないことも。

 

もはやそんな生ぬるいものじゃなく、いわばこども食堂の「光」と「闇」。

 

最近特に「闇」の部分にかなり深いものを感じる。

だからこそ、余計に「光」に際立ってみえるということもある。

 

そんなお話。

 

こども食堂の「闇」

この1年半。

 

いろんなこどもが来た。

 

のべ人数でいうとたぶん100人は軽く超えてるんじゃないかと思う。

 

そんな中。

 

親があいさつに来てくれた子は片手で数えれるほど。

 

全体の1割にも満たない。

 

これは、何も「あいさつに来い」ということを言いたいわけではなく、僕自身が子を持つ親でもあるから、シンプルに理解ができないだけ。

 

我が子が頻繁にお世話になってるのなら、「どんな所なのか?」とか、「どんな人が運営してるんだろう?」とか、いろいろ気になる所が多々あるからだ。

 

しかも無料でごはんまで食べさせてもらってるというではないか。

 

これは一刻も早くお礼を言いに行かなければ!

 

……と、僕だったら思う。

 

現実にはそうじゃない親がほとんどで、あいさつに来ることもなければ、なんなら虎吉のことを悪く言う輩までいるという事実を知った。

しかもその悪く言ってる親の子が頻繁に虎吉に来て無料のごはんを食べてるという事実。

 

でも、そんなことはもう当たり前になってきて、もはや何も驚かなくなってしまった。

 

……と思っていたら、それは実態がみえないから何も実感がわいてなかったんだ、と思い知らされたできごとがあった。

 

ある日、小学校低学年の女の子が4人で遊びに来ていた。

 

その子たちはけっこう頻繁に来ていて、多い時には週に5回ぐらい来る。

 

その都度、無料のごはんだったり、おやつになりそうなポテチとかかき氷とかを食べていく。

 

そしてそのことを親たちは知っている。

 

こどもたちは惜しげもなくそういった情報を提供してくれるからありがたい。

 

だったらひと言何か言いに来るのが僕の中では当たり前だと思うけど、どうやら彼らの中ではそうじゃない。

 

先ほども言ったように、そんなことは今までずっとそうだったから特筆すべき事でもなんでもない。

 

だけど、彼女らの親たちは少し様子が違って少し生々しい。

 

近くまで一緒に来ても、親は顔を出さないのだ。

ほんの50メートルほどの距離なのに。

しかもその時に放ったセリフが意味不明すぎる。

 

「虎吉行くん?じゃあお母さん家帰るわ」

 

と言っていたらしい。

 

拒否されてる……???

嫌われてる……???

アタシたち何か悪いことでもしたのかしら…?笑笑

 

ちょっと意味が分からない。

 

他にも。

「イオンとかマクドナルドとかはお金がかかるからダメだけど、虎吉だったらお金かからないからいいよ」と言ってる親がいる。

 

いやいや……。

 

そのこどもが食べてるものにもお金はかかってるんだよ?

しかもそれは市とか国が出してるものじゃなく、個人が自分の財布から気持ちだけで出してるもの。

 

僕らはその想いを託されてる。

 

そんなことを知ろうともしない。

我が子が頻繁に通ってるお店のことを調べようともしない。

仮に知っててそれなんだったとしたら、こどもの将来が心配になる。

 

「国が出してるんだったら何も言わなくていい」

っていう精神なのかもしれない。それはそれでどうかと思うけど。

 

他にも。

 

「虎吉に行ってもいいけどごはんは食べないで」と言うわけのわからない親もいる。

 

その子は一度、からあげを口にくわえながら帰ったことがあって、その時に親にバレてしまってひどく怒られたらしい。

 

なんで???笑笑

 

なのでその子は匂いがつかないようなかき氷とかポテチとかを食べる。

 

ポテチも揚げ物だから匂いはつきそうなもんだけど、それは大丈夫らしい。

 

まったくもって不可解だ。

 

そしてちょっと長くなったけど、ここからが本題。

 

その4人が遊びに来てた日。

からあげのことを言った親が突然やってきた。

 

どうやら我が子の英語教室の時間になっても帰って来なかったらしく、迎えに来たっぽい。

 

僕の感覚では、その時にお店の人にあいさつでもしようと思う。

「いつもお世話になってるみたいでありがとうございます」とか。

急いでいたとしてもそのぐらいのあいさつは5秒もかからないからやろうと思えばできるはず。

 

でも、そんなことはなく、中の我が子に「時間過ぎてるよー」と言って、我々店員には何の言葉もなかった。

そしてそそくさと帰っていった。

 

その間、わずか10秒。

 

扉が開いた瞬間、若女将と目が合ったらしいんだけど、ガン無視。

 

若女将は扉が開いてその人が親だと瞬時に察知して、手を止めて姿勢を整えてあいさつをするための準備をしていた。

だけどその準備も虚しく、空振りに終わった。

 

扉が閉まった瞬間、僕と若女将は目を合わせて大爆笑した。

 

もはや現実逃避である。

 

こんなことが実際にあるんだ、と。

 

目を疑いたくなった。

 

こども食堂を始めて1年半。

 

今まで起きたいろんな出来事が霞むぐらい、衝撃的な事件だった。

 

何回も我が子が虎吉に来てるんだろ?

何かひと言ぐらいあってもいいんじゃない?

 

でも何もなかった。

 

そして虎吉に来てるこどもたちの親はほとんどこんな感じなのかもしれない、という想像の解像度がめちゃくちゃ上がった。

 

これがこども食堂の「闇」。

 

これはもはや社会問題じゃないか?と思う。

 

ここは大阪府茨木市のごくごく一般的な住宅街。

来店するこどもたちはほぼほぼみんなスマホを持ってる。

ってことは、貧困というほどのこどもはここには来ていない。

 

実際に貧困に苦しむ家庭があるのかどうかもわからないのが現状。

 

件の子も英語教室に通ってるぐらいだから、どっちかというと裕福な家庭の子が多いのではないかということは想像に難くない。

 

だけど経済的には裕福でも、心の方はかなり貧困だ。

Instagramでこのくだりの動画を投稿したところ、再生回数は50万回を超え、コメントは1000件を超えるほどの反響をいただいた。

中には「今の親はそんな人が多いですよ」といったコメントも少なくなく、日本中がそんな感じなのか?と戦慄した。

後日、こどもたちが来る機会がかなり減った気がする。

それがたまたまなのか、Instagramをみた親がこどもたちに「行くな」と規制をかけてるのかはわからない。だけどその可能性もじゅうぶんあり得るなーと思ってしまうほど、ここに来る子たちの親は残念な人が多い。

そんな親に育てられたこどもは同じように育ってしまう可能性が高くなってしまう。

 

こども食堂の闇はかなり深い。

だけど「闇」が深まったことにより、「光」の部分が明らかになった。

 

こども食堂の「光」

こども食堂の「闇」はかなり深いものがあるけど、そのぶん「あいさつに来てくれる親」の存在がものすごく嬉しいしありがたい。

 

今はまだこども食堂は始まったばっかりで、しかも虎吉みたいに毎日やってるような所は他にない。

 

今のところの正解は「親がほとんど関わろうとしない」だけど、2年後3年後には状況は変わってるかもしれない。

 

この1年半、いろんなことがあって精神的に落ち込むこともたくさんあったけど、たまにそういう嬉しいことがあると、それまで落ち込んでたのが全部吹き飛ぶぐらい爽快な気分になったりする。

 

そして今回、虎吉史上最悪の衝撃的な出来事があって、改めて自分の立ち位置とかこども食堂の在り方とかを考え直すことができた。

 

そもそものきっかけは自分発信ではなく、師匠に言われて始めたものたったけど、実際にやっていくにつれて、自らのこども時代にこんな場所があったらいいな、というコンセプトに変化していった。

 

虎吉に来てるこどもたちは、心の貧困家庭の子が多い。

学校ではロボットみたいな先生がいて、家に帰っても親の過干渉で、常に監視されてるような窮屈な状態で、どこにも安らげる場所がないのだ。

 

僕も同じようなこども時代を過ごした。

 

その子たちが羽を伸ばせるならそれでいいじゃないか、と。

 

現状、それは実現できている。

 

ホントは親も含めたコミュニティみたいなものができたら、それがいちばんの理想ではあったけど、いまのところそうじゃないことになってる。

 

こどもたちはまだまだ成長途上にある。

 

彼らの親たちと同じように心が貧しくなっていくのかどうかは、関わる大人によって変わっていくはず。

 

虎吉と関わることによっていい方向に向かってくれればな、と思う。

 

まだまだ課題はいっぱいある。

 

その課題をどうやって乗り越えればいいかはまだわからない。

 

こどもたちが無邪気に来てくれてるうちはまだ大丈夫だけど、親の規制によって来られなくなることもある。

 

実際にそれはあった。

こども食堂に行ってることがバレて、「もうあんな所に行ったらダメ」と言われたそうだ。

 

その子は来なくなってから、性格が卑屈になってしまったと聞いた。

虎吉に来てた時はすごく楽しそうに過ごしていたのに、今では虎吉の悪口を言っているそうな。

 

これはおそらく、親が「我が子がこども食堂に行くなんて恥ずかしい」というわけのわからない理由でこどもを縛り付けたことが原因だと思われる。

 

行きたいのに行けない。

何も問題なく行ってる友達がうらやましくてそんな態度に出てしまったのかもしれないな、と思うとやりきれない。

 

だけどそんな親をコントロールすることなんか僕にはできない。

 

こどもが自由に生活できない世の中になってしまってるんだな、ということがこども食堂を通じてわかった。

 

だけど、だからこそやりがいはある。

なぜならこんなこと誰もやりたがらないからだ。

いろんな規制がかかってて、先生が親に気を使わなきゃいけなくなってる世の中。

こどもたちとちゃんと真正面から向き合おうとする大人が少ない。

だけど虎吉では無料で食事を提供してるから、そういうことがやりやすい。

そう考えるとやる気が出る。

 

こどもたちの未来は希望の光にあふれてると信じて。

応援してくれると嬉しいです。

 

こども食堂【虎吉】ご支援のお願い
こども食堂【虎吉】ではこどもたちに無料で食事を提供するという奇行を毎日敢行しております。こどもたちにとっては毎日やってる方が安心して来れると思ったのでそうしています。そのおかげで、こどもたちとの親交は深まって、サッカー観戦に誘われたりごはん...

 

ご清聴ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました