おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『10代の性教育』。
いろんな性犯罪がある。
強姦、痴漢、盗撮、セクハラ。下着泥棒なんてのも。
それらはいまだに一向になくなる気配がない。
むしろどんどん増加していってる感もある。#増えてた⇒データ
その原因は性教育が遅れていることだと僕は考える。
その被害に遭ってるのは圧倒的に女性の割合が多い。
つまり。
男の子の性教育をホントになんとかしないといけない。
こども食堂をやってると現役の中学生たちと交流する機会が多く、彼らはけっこういろんなことをしゃべってくれる。その中で性のことについて話すこともあって、「性教育っていまだにそんなことやってるんだなぁ…」と戦慄した。
30年停滞する日本の性教育
日本の性教育は盛大に遅れている。
これは僕の肌感でもあるし、世界的にみても、先進国って言われてる国の中ではダントツに。
日本で性教育っていう言葉が使われて、学校で具体的に授業の取り入れられたのが1992年。
かれこれ30年以上の時間が経ってはいるんだけど、そこから一向に変わってない。
性教育に限ったことではないけど、むしろ性教育に関しては衰退してんじゃないかってぐらい何にも進んでない。
具体的に取り入れられたって言っても、その実情は学校の先生たちが教科書に書いてあることしか教えないっていう、あまりにもテキトーなもの。
しかも時間をそこまでとってないから内容を覚えてる人なんかほとんどいないぐらいのホントに軽いものでしかない。
いちばん大事な「性交渉」、つまりセックスのことについては触れられた記憶がない。
これじゃー10代の若い世代が何も学べない。
もはや遅れてるとかそんな次元じゃなく、性教育を何もしてないと言っても過言じゃないレベル。
なんでそんなことになってしまったのか?
その原因は2002年に実施された「はどめ規定」と呼ばれる意味不明な政策。
これは要約すると、政府が「小中学校ではセックスのことは教えちゃいけないよ」っていう、わけのわからないもの。
そこを教えないとさ・・・。
いちばん大事なところよ?
で、それに追い打ちをかけるような事件が起きた。
2003年、七生養護学校で知的障害がある生徒に対して行った授業が「行き過ぎた教育」として報道された。#七生養護学校事件
それによって「性教育バッシング」が全国的に広がってしまった。
その事件の概要を調べてみると、どうやらそこまで問題視するような内容ではなさそう。
僕の個人的な感覚でいうと、むしろ画期的なんじゃないかって思えるような内容だった。
それを一部の、性に対する知識とか経験が浅い人間が「行き過ぎた教育」と勘違いして大事件に発展してしまった。
しかもその一部ってのは都議会議員とかなんとか。
これだから頭でっかちのお役人は・・・
僕の個人的な見解は「はどめ規定」があったから七生養護学校事件は大事件に発展したんじゃないか。
そう思えてならない。
性に対する知識とか経験が乏しい人間は得てしてそういうことにはすごく消極的で、表に出さない。恥ずかしいっていう感情が勝ってしまってまともに向き合おうとしない。
たとえば家族でドラマをみててキスシーンとか濡れ場とかが流れると目を背けたり、どこか違う場所に移動したり、チャンネルを変えたりだとか。
自分もそういうことを普段喜んでしてるにも関わらず。
その性に対する知識とか経験の浅さが性被害とか性犯罪につながるのに、そこを重視していない政府の目論見とはいかに。
肌感、データ、いろんなものことから性教育は盛大に遅れているのがわかる。
性教育を学ぶ場がない
学校でまともに教えてくれないなら他から学べばいいんだけど、さっきも言ったとおり親もまともに向き合おうとしないケースがほとんどで、こどもたちには他に関わる大人もおらず、学ぶ場がないのが現実。
学ぶ場がないのは他でもない、学校教育の方針を決めてる人間の責任なので親を含め、ほとんどの大人がその被害者だ。
自分から学ぼうとしてもちゃんと細かく丁寧に教えてくれる人間なんてほとんどいなくて、結局何を頼って学んできたかというと、「本」とか「AV」だった。
少なくとも僕らの世代(現在の中学生たちの親世代)はそれしかなかった。
先輩とか友達に実体験を聞いたりすることもあったけど、それも結局根っこはAVとか本から学んだことがほとんどだから、あんまり役に立った試しがない。
後は実践で学ぶしかない。
今はネットがあるから多少マシになってるのかもしれないけど、それでもけっこうお堅いものや軽い内容のものが多くて、なかなか本質的なところにはたどり着けないのが現実。
だから今も昔もあんまり変わってない。
AVも本もあれはあくまでエンターテイメントで、性教育とは言い難い。
でも情報がそれしかないから「セックスってそういうものなんだ」って勘違いしちゃう男子を量産してしまった。
でね。
AVとか本とかネットのエロサイトとかって多くの人が「下卑たもの」っていう印象を持ってしまってるのよ。
そうすると、そういうのをみる時ってひとりでコソコソみるとか、友達同士でもコソコソしながらみてるのが現実。
友達同士とかだとキャッキャ言いながらみたりはしてるけど、あんまり真剣に学ぶっていう感じじゃない。
ごらんのように性教育を学ぶ場所がどこにもないのよ我が国ニッポンは。
大人が恥ずかしがってはいけない
僕自身もそうだったけど、大人に性のことってなかなか聞けない。
原因は大人が恥ずかしがってるから。
自分たちがセックスをした結果こどもが生まれてるのに、いざそれをこどもに聞かれると照れたりはぐらかしてしまってまともに取り合ってくれなかった。
酷い場合は「そんなこと聞くな!」って怒られる。
なんでやねん。
これは親でも先生でも一緒。
なんならだいたいの大人がそう。
こどもなんか親と先生以外関わる大人がほとんどいない子が多い。
その大人がまともに取り合ってくれなかったらどうやって学ぶねん?
ねぇ。照れたり恥ずかしがってる場合じゃないよ?
ハードルは高いかもしれないけど、大人はだいたいの人がセックスを経験してるんだから、もっとオープンにしないといけない。
性のことに興味関心を持つのは人間として当たり前のこと。
年齢をある程度重ねていけば好きな人ができたり、身体にもいろんな変化が起こる。
それにともなって恋愛をしていろんな人と関わっていくことになる。
そういう話をたくさんしないと人付き合いが上手にならない。
大人も再認識しないといけないことがある。
それは、恋愛はセックスをするための準備段階であること。#悲しいけどこれが現実
セックスはふたりでするものだから、お互いの気持ちを大切にしないといけないこと。
無理やりしようとすると相手に一生ものの心の傷を負わせてしまうこと。
ヘタすると性被害、性犯罪につながってしまうこと。
大人でもそういう本質的なところを理解してる人は少ない。
だからセックスレスになって夫婦仲が悪くなったり、不倫とか離婚に繋がったりする。
そういうことも10代のうちからちゃんと伝えておかないと、こどもの結婚相手とかにも影響を及ぼしてしまう。
だからこそ大人は恥ずかしがってる場合じゃない。
たとえば小さいこども、年齢が5歳とか6歳ぐらいのこどもに「赤ちゃんってどうやってできるの?」って聞かれたらなんて答えるか?
僕は自身のこどもが小さい時にそれを聞かれたことはなかったけど、もし聞かれたらこう答えようって思ってたことがある。
動物の交尾の動画をみせて「人間もこうやって赤ちゃんを作るんだよ」って教える。
その時に、大事なのは気持ちの部分を伝えること。
仲良ししてるやろ?って。
こんなふうにハグしたらなんか気持ちいいやろ?って。
頭なでなでされたら嬉しいやろ?って。
その時にこどもが深掘りしてくる可能性がある。
「パパとママもこうやって交尾したの?」と。
これを聞かれてまともに向き合って話ができる人は少ないと思う。
でもここは踏ん張りどころ。
いちばん伝えないといけないのは気持ちの部分。
気持ちが通じ合ってるから嬉しかったり楽しかったりするんだよってこと。
そこが伝わればいい。
下半身が繋がってるとかはもうちょっと大きくなってからでもじゅうぶん。
っていうか小さいこどもにはたぶんまだ理解が追いつかない。
でも聞かれたらちゃんと説明はしてあげた方がいい。
おちんちんが硬くなって女の人の穴に入れるんだよ、って。
だいぶ生々しい話ではある。
でもたぶんちゃんとした意味は伝わらない。
年齢とか性格とかに応じて伝え方は変える必要がある。
親の立場で自分の素直な気持ちをこどもに伝えるのはかなりハードルが高い。
「パパはママが大好きです」とかたぶんほとんどの人が言えなさそう。
こどもが年齢を重ねれば重ねるほどハードルは上がる。
でもここをちゃんと伝えれるかどうかで、こどもの将来は大きく変わる。
恥ずかしがらずにちゃんとこどもと向き合う努力を。
性教育の本質
性教育の表向きの目的は「健やかな人生を送るための教育」。
そういう意味でこども食堂に来てるこどもたちをみてると、「健やかな人生」は程遠く感じる。
なぜなら、その子たちの親はまともに向き合ってないな、っていうのが透けてみえるから。
虎吉に来てるこどもたち、特に小中学生の男子は「性」のことに関しては無知って言っていいぐらい何も知らない。
でも知らないからこそものすごい興味津々ではある。
そして知らないからこそ友達同士での「いじり」が激しい。
例えば女の子とつきあってたりすると、「ヤったん?」とか「キスしたん?」とかを悪いことでもしてるかのような感じで聞いてる。#聞いてるというかいじってる
聞かれた方はタジタジだ。
当人たちは真剣に好き同士でつきあってるのに、まわりの友達がそんな感じでいじってくると、恥ずかしくて素直な気持ちを言えたもんじゃない。
ほんでそれがつきあってる相手にも伝わってしまって、ヘタしたら関係がぶっ壊れる。
タチが悪いのはその「いじり」に悪気がないこと。#ある時もある
いじってる子たちは無知なのと、羨ましいのと、恥ずかしいのと、いろんな感情が入り混じってる。
いじることで自分の感情を和らげているのだ。
これはホントによろしくない。
せっかく性に対して真剣に向き合おうとしてるチャンスなのに、まわりの無知とか恥ずかしさのせいでぶち壊しだ。
これも性教育をちゃんとしてないことの弊害だ。
これがいじるだけで終わるならまだマシな方。
中にはいじられたことによって心の傷を負ってしまって性に関することに臆病になってしまう人もいる。
臆病になったからといって異性に対して興味がなくなるわけじゃないし、性欲は勝手にわいてくるもの。
臆病とまではいかなくても、相手の気持ちがわからなかったり、自分の気持ちをうまく伝えることができず、童貞のまま何年も過ごす。性欲を満たす方法がわからなくてひとりで暴走してそれが強姦、痴漢、セクハラみたいな性犯罪を招いてしまう。
そういうことを事前に防ぐのが性教育の表の役割。
本質はもっと深いところにある。
大切なのは相手の気持ちを考える「思いやり」の心を持つこと
性教育の本質は「相手の気持ちを考えること」。
恋をして相手の身体に触れたいと思っても、セックスをしたいって思っても、相手がいないと成立しない。
もっと言うと、相手も同じ気持ちにならないと成立しない。
ちょっとでも相手が嫌がったり怖がったりしてるのに強引に事を進めようとすると相手の心は傷を負ってしまう。#ヘタしたら一生モノ
逆も然り。
自分が嫌がったり怖がったりしてるのに相手が強引に事を進めようとしてきたら?
相手に対して恐怖心が生まれるのは必至。
そんな人間とは関わりたくないって思うのが人間。
これって別に恋愛だけじゃなくて人間関係すべてがそう。
仕事でも友達でも家族でも子育てでも。
性教育の本質はココ。
恋をして相手といろんな気持ちのやり取りをして思いやりの気持ちを学ぶことで、人間関係の築き方をも学べる。
セックスしたいとかキスしたいとか性的なことは本質的なことを学ぶための補足でしかない。
補足でしかないけど、身体と身体が直に触れ合うことで心の疎通もしやすくなる。
それをこどもが自分で考える力を持てるように導いてあげること。
好みとか感覚はひとりひとり違うから、こどもとちゃんとヒザを突き合わせて腹を割って話をしてあげること、聞いてあげること。
それが性教育だと僕は思う。
追伸:SNSで出会う時の注意事項
昨今、SNSをきっかけに出会う小中学生が増えてる。
いろんなプラットフォームでいとも簡単に出会いが見つかってしまう時代。
世の中にはアホな大人もたくさんいる。
中学生相手にカラダを求めてくるアホもたくさんいる。
そして興味本位で会って性犯罪に巻き込まれてしまう。
それを止めるのは至難の業。止めれば止めるほど興味がわいてやりたくなるのが人間。まして中学生ならなおさら。
自分自身で「NO」って言えるようにするのがいちばん素晴らしいこと。
だけどなかなかそれも難しい。
かといって、大人がそれに介入するのもなかなか難しい。
中学生あたりの年齢だと反抗期で親とまともにコミュニケーションがとれないことが多い。
親と子が何も包み隠さずコミュニケーションがとれる関係になっておいた方がいい。
それは親次第。
仮にSNSで繋がった人と会うことになっても、その人がどんな人なのかを親が把握できる。
親に相談しても尚会いたいという人ならおおよそ性犯罪に巻き込まれる可能性はグッと減る。
なんなら一緒に会いに行けばいい。
それぐらいの親子関係を築くことが子を守るためのいちばん有効な手段だと僕は思う。
スマホを禁止にするのは絶対に違うし、SNSを禁止にするのもいろんな交流の機会を遮ってしまうことになりかねないから違う。
スマホを最大限有効に活用しつつ、性犯罪に巻き込まれるのを防ぐ。
そんな方法はないのかもしれないけど、あるとしたら親子間のコミュニケーションがしっかりとれてることだと僕は思う。
ご清聴ありがとうございました。


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