おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『こども食堂と居酒屋を併設することでみれる面白い光景』。
虎吉はこども食堂と居酒屋を併設してるという、あんまり他ではみられない形態をとっていて、時代にそぐわない、面白い光景をみることができる。
なぜなら虎吉は「喫煙可」だから。
タバコとこども。
今の時代、いろんなことがすこぶる過敏でかなりめんどくさくなっていて、たったそれだけでテレビにも出られない。
関西テレビの人気番組「よ〜いドン!」という番組が取材に来て、タバコが原因でお蔵入りになったことがある。
よ〜いドン!の中で「となりの人間国宝さん」というコーナーがあって、いろんな街にロケに行って、その土地の面白い人たちに話を聞くというもの。
その時に来てるタレントさんが「面白い」と判断すればとなりの人間国宝さんに認定されて、ステッカーをもらえる。
関西では人気番組なので、そのステッカーがあるとけっこう「すげーヤツ」認定される節がある。
僕もよ〜いドン!はずっとみてたので、虎吉を始めた時に、いつかとなりの人間国宝さんが来てくれたらいいなぁ〜とか思ってた矢先、ホントに来てすごく嬉しかった。
撮影当日は円広志さんが来てくださって、1時間ぐらいこども食堂を始めた経緯とかこどもに対する想いとか、いろんなお話をさせてもらった。
終始和やかなムードで、虎吉はよ〜いドン!のステッカーをもらうことができた。
後はオンエアを待つのみ。
ところが。
撮影から1週間後、担当のディレクターの方から「お蔵入りになってしまいました…」と連絡が入った。
詳しく話を聞くと、撮影した映像の中に一瞬だけ灰皿が映ってしまってて、それが関西テレビのお偉いさん方のNGをくらった、とのこと。
なんとまあ……。笑
コンプライアンスがうるさい世の中、タバコとこどもはどうあがいてもNGで、編集でその部分はカットするから、と食い下がっても聞く耳を持ってくれなかったらしい。
ディレクターの方もすごく申し訳なさそうに話してた。
結局よ〜いドン!に出ることは叶わなかった。
たかだかタバコで。
べつに法律を破ってるとかじゃないのに。
法に触れることをしてるとかならしかたないと思えるけど。
なんてつまらない世の中なんだ。
逆にそんな時代だからこそ、この形態をやる意味はある。
タバコは確かに百害あって一利なしだ。
だけど、僕自身こどもの時、親が僕をヒザの上に乗せてガンガンタバコを吸ってたけど、特に影響はなく健康そのもので40年生きてきた。
煙たいのは確かに煙たい。笑
だからタバコが嫌ならその場から逃げればいい。
虎吉は法律を破ってるわけじゃないし、タバコに関しても、ちゃんとルールに則った営業をしてる。
保健所の方から「タバコとこどもは近づけさせないでください」と注意を受けたりもした。
じゃあ禁煙にしたらいいんですか?
と聞くと、「いえ、そういうわけではないんです」と、保健所の人たちもどうしていいかわからないご様子。
それぐらい、こんな形態のお店は一般的ではないみたいだ。
僕はそこに意味があると思ってる。
お酒を飲みながらタバコを吸う大人がいる。
今の時代、それはなかなかできないこと。
どこの居酒屋でも、だいたい禁煙席のみ。
タバコは別室で、というお店がほとんど。
だけど、喫煙者からすると、タバコを吸いながらお酒を飲むことで、とてもリラックスして時間を過ごすことができる。個人差はあるけど、8割はそうだと思う。
だからこそできる話もある。
虎吉でお客さんと僕が話してる内容は、時にめちゃくちゃ濃い話をすることもある。
シラフではなかなかできないような込み入った話を。
そのとなりでこどもたちが普通にごはんを食べてる。
こんな光景なかなかない。
仕切りなんかないので、こどもたちにもその話は丸聞こえ。
僕がこどもの時、大人のそういう込み入った話を聞くのはすごくワクワクした。
だからこそ、聞かせたい。
こんな世の中で、こどもがそんなことをできる場所はそうそうない。
それをどう受け取るかはその子次第。
いつも僕がこどもたちにみせる顔はふざけた大人っていう印象があると思う。
それはそれで僕のホントの姿。
でも、大人同士で話をしてる時は、それとはまた違った雰囲気になる。
いつもとは違った一面がみれる、というのも、こどもたちからすればなかなか面白いことなんじゃないかなと思う。
他にも、お互いはじめましての大人とこどもがワチャワチャ絡む光景がみれるのは、たぶん虎吉ぐらい。
酔っ払ったお客さんがダル絡みをすれば僕の鉄槌が飛ぶから、こどもも安心して伸び伸びと過ごしてくれてる。
……ハズだ。笑
まぁ今のところこどもたちからこれといった苦情もないので、大丈夫ってことだろう。
こんな大人もいるんだ
っていうことを頭に刻み込むことができたらそれでいい。
それが社会に出た時にどこかで役に立つハズ。
いつまでこの営業形態ができるかはわからない。
法律が変わって、喫煙できるお店が完全になくなってしまう時がくるかもしれない。
そんなことはわからない。
これからも虎吉は頑張っていく次第でござる。
ご清聴ありがとうございました。
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