おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『自由っていう感覚は人それぞれ違う』。
先日、こどものことで悩む親と話をする機会があって、その時に感じたこと。
人それぞれ考え方が違うけれど、自由っていう言葉にもそれぞれとらえ方ってあるんだなぁと。
そんなこと考えたこともなかったのでなんか面白い発見だった。
その親の方(以下Aさん)はこども(以下Cちゃん)に対する接し方がわからなくて悩んでいるとのこと。
Cちゃんは反抗期のお年頃。
Aさんが言うにはこどもは自由にさせて育ててきた、とのこと。
僕の中で「反抗期」は親の責任という考えがある。
要約すると。
親がこどもに対して自分の価値観を押し付けたり、頭ごなしに否定したりしてこどもに少しずつ精神的負荷が積み重なって、一気に爆発したのが反抗期。
これは自分自身の経験から導き出した答えで、人それぞれ考え方はあると思うけど、だいたい当てはまってるからたぶん合ってる。
だけど、Aさんからのわずかな情報だけだと、なんでそんな反抗期になるんだろう?と、ハテナがたくさん飛んだ。
自由にさせてきたのに???
詳しく話を聞いてみると、反抗期は相当のものらしく、もはや家だけにとどまらず家庭外の人まで巻き込む事態になっているんだとか。
さらに。
どうやらCちゃんは誰も味方がいないような状況で、かなり孤立してるっぽい。
自由にさせてるのに??
そう感じたので、本人と直接電話で話をさせてもらった。
Cちゃんは現在15歳。
年齢的にはThe・反抗期真っ盛り。
虎吉の存在は知っていて、行ってみたいと思ってくれているとのこと。
なのでしんみりと話をしても仕方がない、と思い、思いっきりノリノリでちょっとウザイぐらいのテンションで話をしてみた。
ところがCちゃんは終始淡々としていて、まったく動じない。
完全に心を閉ざしてる、という印象。
話の中で、親が幼稚で話が通じないこと、心を閉ざしてる自覚はあること、大人がまったく信用出来ないことなど、いろんな話を聞くことができた。
話をしているうちに少しだけ閉ざした心が開いた感じがして、最後の方はちょっとだけ声に明るさが宿ってた。
後でAさんに電話を代わってもらうと、Cちゃんは嬉し泣きしていたそう。
Cちゃんとの話は大成功だった。
そして。
やっぱり反抗期は親にある。
Cちゃんと話をしてても「あーなるほど」と思ったけど、Aさんと話をしてる最中に化けの皮がはがれてやっぱりおまえかーいってなった。
自由に育ててきたと言ってたけど、それはあくまでAさんの中での話。
詳しく話を聞くといろんなことを押し付けたりしてるので、Cちゃんにとっては何ひとつ自由じゃない。
どこが自由なの?
と言うと、親の方はそんなことない!って言い張るし、こちらが何か言おうとしたらそれを遮って被せてくる。
人の話を聞く気がなく、自分の主張ばっかり。
ある程度いろんな経験をして、いろんな人と話をしてきた大人の僕でもその遮り方はしんどいと感じた。
これだとまだ15歳のCちゃんにとっては地獄でしかない。
価値観を押し付けてくる、人の話なんか聞いてくれない、頭ごなしに否定される、こども扱いされる。
反抗期を生み出す行為全部やっとるやないかいっ。笑
よー自由に育ててるって言うたな。笑
Aさんにとっての自由と、僕の中での自由の意味がかけ離れていたみたいだ。
「自由」という言葉はとても幅広い。
何に対しての自由なのかもその時の捉え方次第で意味が変わってくる。
よくよく聞いてみると、この時のAさんの「自由」は他の兄弟は伸び伸び自由に育ててきたことに対しての「自由」だった。
でもCちゃんにとってはそれはとても「自由」とは言い難い。
何せCちゃんとAさんは価値観がまったく合わない。
その合わない価値観で自分の主張ばっかりを押し付けられてしまってたら、そりゃ精神病むわさ。
まだまだ精神的に未成熟。
しかも詳しく話を聞くと小学校の高学年あたりから孤独を感じ始めていたらしい。
ホントなら精神的にどんどん成熟していく時期に、寄り添うものがない状態だと成長は止まってしまう。
僕自身そうだったからその気持ちはよくわかる。
自由っていう言葉は人によって捉え方が全然違うし、みてる景色もまったく異なるので、「自由」って聞いても安易に自分の価値観だけでとらえるのはよろしくないなと感じた出来事だった。
ご清聴ありがとうございました。
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