せっかく就職したのに入社式で辞めた話:こども食堂店主のひとりごと

店主のひとりごと

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

本日のテーマは『せっかく就職したのに入社式で辞めた話』。

 

高校生の時、バンドを始めた僕は将来をどうするかで悩んでた。

 

プロを目指すのか、それとも別の道に進むのか。

 

そうこうしてるうちに進路を決めないといけない時期になって。

 

でももう学校と名のつくところには行きたくなかったから、大学・専門学校という選択肢は有り得ないなと。

とっとと社会に出たかった。

 

で、担任の先生といろいろ話をして、じゃあとりあえず就職するかってなって就職が決まった。

 

就職先は大阪市内の繁華街の海鮮居酒屋さんの厨房のお仕事。

 

料理するのが好きだったから好きなことを活かせる仕事をしたいなと思って。

 

それを決めるためにたぶん担任の先生は方々走り回ってくれてものすごく苦労をしたんだろうなと思う。

 

改めて考えると当時の担任の先生はいろんな意味で頭が上がらない、お世話になった人。

 

今も元気でいらっしゃるかしら。

 

とりあえず就職が決まって説明会とか研修とか、ことあるごとに新入社員が集まってなんかやってた。

で、その時の場所っていうのが居酒屋さんなので、お店の客席を使ってやってた。

 

その時の服装とかも自由ですごいラフな感じがあって、こんなもんなのか〜っていう認識でいた。

 

研修とかが終わっていざ入社式。

 

僕は茶髪にパーマをあてて、ジーパンにジャンパーっていう、今考えるとアホだなーっていう服装で突撃。

 

それには理由があって。

 

まずそれまでの研修がすごくラフな感じだったこと。

で、もうひとつは高校を卒業したと同時にひとり暮らしを始めて、入社式はスーツで行くものだっていう一般常識を知らなかったこと。

 

誰もそんなこと教えてくれる人いなかったし。

 

まわりの新入社員の皆さまは黒髪にスーツでビシッとキメて来てて、僕ひとりだけがかなり浮いてた。

 

もうその場にいる全員がドン引き。

 

・・・何考えてんのコイツ・・・?

 

社長もいらっしゃったんだけど、すごい呆れた顔してた。

まるで汚いモノでもみるかのような。今でもその表情は覚えてる。

どんな顔かは忘れたけど。

 

怒られたよね。

 

何考えてるんだ!?と。

 

とりあえず服装はそのままでいいから髪の毛をなんとかして来い、と言われて一旦帰された。

その間他の皆さまは待っててくれるとのこと。

 

その時はすごく申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

せっかく担任の先生が一生懸命頑張ってくれた就職っていうのもあったし。

 

で、せっかくあてたパーマだったけど、坊主にして行こうと。

 

誠意をみせるにはこれしかない、って思って。

 

でもまだ18歳なので、ちょっとだけオシャレしたいっていう気持ちも残ってたから、もみ上げだけは残したまんまでいこうと。

 

たぶんその行動ってめちゃくちゃ早かったと思う。

すぐ帰って美容室行って髪切ってまたお店に戻るまでたぶん2時間ぐらいだったんじゃないかと。

そのお店の場所は電車で小一時間ぐらいかかるところにある。

 

行動の早さも誠意をみせるには大事なことだと思って頑張った。

でもそんな僕の気持ちは全然汲んでくれなかった。

 

お店に到着するやいなや、社長が放った言葉は

 

もみあげ剃ってこい

 

だった。

 

そのひと言で僕の中で何かが切れてしまった。

 

あ、もういいや

 

って。

 

僕は僕なりに申し訳ないって思ったから坊主にしようとか、なるべく早く戻ろうとか、精一杯誠意をみせたつもりだった。

 

でもそこには一切触れずにただただ目の前の結果だけをみて「もみあげ剃ってこい」だ?

 

ふざけんな。

 

ってなってしまった。

 

アホだわー。

若いわー。

 

僕が逆の立場だったら「なんじゃこいつ?おもしれーww」ってなって可愛がるけどな。

ていうか今考えても、たかだか18歳の高校出たばっかりのクソガキに対してそんな仕打ちするのか。

あ。だからか。

もうその時点でコイツ要らねぇやってなったのかな。

まぁどっちでもいいけど。

 

それを最後にもうお店には戻らず、切ってしまった髪の毛はもう戻らないから、その足でブリーチを買いに行き、金髪坊主に仕上げた。

 

そしてその時点で就職っていう道は完全に閉ざされてしまったから、バンドでやっていこうっていう覚悟も決まった。

 

そこからがまた大変な道のりになることはその時は何も考えてなくてただただ感情に任せて動いた。

 

アホだわー。

若いわー。

そんなアホなことして、せっかく頑張ってくれた先生に申し訳ないという気持ちも生まれたけど、ガマンできなかった。

 

後日、先生に謝りに行ったら何も咎めることなく「アンタらしいわww」って大爆笑された。笑

さすが。笑

あとでライブにも招待したらステージの上でドラムを叩く僕をみてえらく感動してくれた。

その時に「あ。あの時は申し訳ない気持ちになったけど自分を貫いてよかった」って心の底から思えた。

そうやって僕のことを見捨てないでずっと見守ってくれた人が少なからずいるから僕は生きていれるんだな。

 

ご清聴ありがとうございました。

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