料理は愛情:こども食堂店主のひとりごと

店主のひとりごと

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

今回のテーマは『料理は愛情』。

 

小さい頃から料理はしてたとはいえ、飲食店で修業した経験もなく、完全に見切り発車で始めたこども食堂(兼居酒屋!)虎吉。

 

オープンからおよそ半年経った今、なんとなく分かったことがある。

 

それは料理は愛情だということ。

 

もう何万年も前からあるような言葉だけど、結局最終的にたどり着くとこはやっぱりここなんだなーとすごく感じた。

 

でも愛情って言っても形で示せるものじゃないし、具体的にどーすんだ?ってところがなんとなくみえたので備忘録。

 

僕なりに出した答えはすごくシンプルで、食べる人の立場に立てるかどうか。

どうやったら食べてくれる人が「美味い!」って言ってくれるかをひたすら考える。

考えながら作るのではなく、材料、調味料の配分を考える時点でこうなったらこうなるからその人が美味しいと言ってくれるはずだ…!

…みたいなことを決める。

調理する時はひたすら無心で材料と会話する。

材料と会話ってのがまだ言語化できないけど、それが愛情を込めるっていうことかなと。

 

 

料理、食事っていうのは状況によって味が変わる。

 

たとえば、みんな大好きカップヌードル。

これをただ普通に家で食べるのと、海の浜辺で食べるのとでは全然味が違う。

正確には食べる場所が変わって、感じ方が変わるから味が変わったように感じる。

 

人間の味覚なんてそんなもん。

 

他にもお祭りの時に食べる焼きそばとか。

 

その場で食べる焼きそばと、それを持って帰って家で食べると、これまた味が全然変わる。

 

お祭りの時はその場の雰囲気があるから美味しく感じるんだけど、それを家に帰って冷静になって食べると美味しくなかったりする。

 

そんなふうに場所とか状況とか雰囲気も食事を楽しむためには絶対必要条件で、そういうことにも配慮できるかどうかが料理人の腕の見せ所なんだと思う。

それが愛だよ、愛。

 

料理人歴たった半年の人間が言うことじゃないのかもしれないけど。笑

 

まあでも結局それが世の中の真理で、音楽とか絵とかと同じく五感で味わうもの。

 

そのへんは30年ぐらいのキャリアはあるし、料理もひとつの芸術であることは間違いない。

 

それでいうと料理を美味しく作る方法って、お客さんが食べたいものとこちらの技術と知識が合致していれば、それでうまくいくんだなってことが理解できた。

 

後必要なのは技術と知識。

 

それだけは積み重ねないとどうにもならない。

 

僕は料理は小さい頃、たぶん小学校3年生ぐらいからずっとやってるからある程度は技術も知識も自信はあった。

 

でも、1回も仕事としての料理をしたことがないからそこらへんがどうなるのかなーと思ってた。

 

これまでは好みがわかってる人にしか作ったことがなく、なんせ好みがわからない人しか相手にしないわけだから。

 

何回か来てもらってからやっと好みが分かってくるわけで。

 

でも、むしろそれがよかったのかなーとも思う。

 

もしもっと若い時に仕事としての料理を経験したら、料理をすることが嫌になってたかもしれない。

自由に、自分の思うようにしかやってないからこそ、常に食べる人のことを考えることができたし、美味しい!って言ってくれるのを想像しながら作る料理はすごく楽しかった。

 

だからこそ失敗してしまった時はすごく悔しかったし、今度こそちゃんとできるようになろう!って心の底から思えて、たくさん練習したし、研究もした。

それが自分の意志だったからそのまま真っ直ぐ成長できたんだと。

 

仕事としてやってたらたぶんいろんな大人の意見が入り交じって自分のやりたいようにできなくて苦しんでただろうな、と思う。

 

若いからそれに耐えきれず、料理が嫌になってたかもなーと。

 

それはひとり暮らしでも自炊してたけど変わらず。

ひとりで自炊だとテキトーになりがちだけど、たぶん心底料理が好きなんだろうな。

 

その時は自分が食べる時のことを想像しながらニヤニヤしながら作ってた。

 

自分で作って自分で食べた時に美味い!って心の底から思えたものは、今のところ人に食べてもらっても100%の確率で美味い!って言ってもらえてる。

 

たぶん味付けのセンスもあると思う。

 

センスは生まれついた才能とかそういう類のものではなく、どれだけの情報が自分の中にあるかどうか。

 

それでいうと僕は小さい頃から母の手料理はズバ抜けて美味いと思っていて、

外食とか他の人の家で食べるごはんも美味しいけどやっぱり母の味に勝るものはなく、最強だ。

 

これはマザコンとかではなく。

 

いや、ただのマザコンなのかもしれないけど。笑

 

 

でも今まで自分が美味い!と思ったものが100%他の人も美味いって言ってくれてることから、客観的にみても母の料理は最強だと思う。

 

でも、その味を知ってるからこそ、逆に言えばハードルはものすごく高かった。

 

その最強の味を自分でも出したくて、たくさん練習や研究をした。

 

そのおかげで腕は上がって、今は大人もこどもも

今なんかはまさに、こどもたちはもちろん、オトナの人にも評判はいい。

 

でもそれは僕の力ではなく、間違いなく祖母から母に伝わったもの。

 

感謝感謝。

 

そんなわけで。

 

料理は食べる人の立場に立って作ればだいたいうまくいく。

 

とりあえず今のところそれが料理は愛情の答え。

 

ご清聴ありがとうございました。

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