おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『魔女の宅急便の裏の主役はおソノさん』。
虎吉店主はジブリ好き。
高校生の時、毎日「天空の城ラピュタ」を子守唄代わりにして布団に入ってたり、「千と千尋の神隠し」と「ハウルの動く城」はそれぞれ5回ずつ映画館に観に行ったり。
「もののけ姫」のドキュメンタリーはDVDで何回もみた。
いや、あの当時はVHSだったかな。
最近、魔女の宅急便をみていて、ふと思ったことがある。
おソノさんがこの映画の裏の主役なんじゃないか?と。
キキが旅立ってたどり着いた街「コリコ」の丘の上でグーチョキパン店を営むおソノさん夫婦。
そこにたまたま通りかかったキキがお客さんの忘れ物を届けることでおソノさんに気に入られて、パン屋さんに居候させてもらう。
この時おソノさんが声をかけてくれたことでキキの運命は少しずつ動いていく。
おソノさんはすごく明るくて豪快な女性。
このおソノさんがいなかったらキキはどうなっていたのだろう。
…とか考えた。
出来上がった映画のストーリーに「たられば」を言ったところで何にもならないのは重々承知の上で。
それぐらいキャラクターが魅力的だし深いお話なんだもの。
ここはひとりごとなんだもの。
ただの興味本位をぶちまけたい。そしてそれを共有してキャッキャキャッキャ言える人がいたら最高に面白いな、と思うからやってる。
話を戻そう。
空から見た大きな街は海が見えるキキの憧れの街。
ワクワク胸を弾ませながら街に着いたものの、街の人たちから漂う「誰だコイツ?」感。
キキは自分が生まれ育った田舎とは全然違った空気に戸惑いを隠せない。
しかもいきなり警察に追い回されるわわけのわからない男にナンパされるわ。
あげくの果てに泊まるところもない。
修業の初日からハードすぎる。笑
仮に13歳の僕がひとりでこの状況に立たされたと想像したら、たぶん逃げ出してしまうだろう。
途方に暮れて出会ったのがおソノさん。
おソノさんは妊娠中にもかかわらず、ことあるごとにキキをサポートしてくれる。
こどもの時にみててもそんなこと何も考えなかったけど、大人になってそれがいかに有難いことかがわかる。
なかなかそんなことしてくれる大人はいない。
パンフレットの人物紹介によると、おソノさんは昔ヤンチャしてた時期があったとかなんとか。
いろんな経験を経たからここまで豪快な性格になったのかしら。
よく知らない初めましての幼い女の子に、そこまでできるのか。
こども食堂である虎吉でもまだそんなことまではしてない。
…てゆーかできない。
現代の日本では13歳で独り立ちっていうことがおそらくできない。
家も借りれないし、仕事もない。
映画のようにホテルに泊まるのだってできるかわからない。
誰か大人に助けてもらわないと生きていけない。
そう考えるとおソノさんの存在はすごく大きい。
まるで母親のようにキキと接する。
だけどそこには雇用主と雇用人みたいな関係もあるし、何よりキキの現状を理解してるから、甘えさせるだけじゃいけない、と思ってる。
師匠と弟子のような関係。
それが垣間見えるのがこのセリフ。
部屋代と電話代ナシってのでどう?
ついでに朝ごはんもつける!
昼ごはんと晩ごはんは自分でなんとか頑張りな、っていうメッセージをやんわりと伝えてる。
こんな上司なかなかいねぇ。
もしかしたらおソノさん自身も幼い頃、キキみたいな感じの少女だったのかもしれない。
だからキキをみてると過去の自分をみてるみたいで何かと世話をしたくなった、みたいな感じなのかな。
それだったら僕もおソノさんの気持ちがよくわかる。
何にしても、キキとの距離感が絶妙すぎる。
お届け物の仕事をする時は師匠として「仕事は仕事」という姿勢をみせる。
風邪をひいた時に優しく看病してくれたおソノさんはまるで母親のような顔になる。
おソノさんの旦那さんもキキを弟子なのか娘なのかどっちかわからないぐらい可愛がって、パンで宅急便の看板を作ってくれたりしている。
おソノさんと旦那さんのグーチョキパン店を拠点にして、いろんな出会いがある。
その出会いを通じていろんな葛藤がありながら、キキは人間的に少しずつ成長していく。
すべてはおソノさんのサポートがあってこそ。
ほら。
この映画の裏の主役はおソノさんじゃないか。なんなら主役といってもいいのでは?
すべての人との出会いはおソノさんがいなかったらなかった。
一見関係ないように見えるウルスラとの出会いも、おソノさんがいちばん最初に紹介してくれた人がいなかったら出会わなかった。
おソノさんすげえ。
そうすると、キキのお母さんもそんな出会いがあって、魔女として人間として成長していったのかもしれない。
キキのお母さんもキキと同じように13歳でひとりで修業の旅に出て今の街にたどり着いた。
そこでキキのお父さんと出会い、結婚してキキが産まれた。
映画の冒頭でドーラさんがお母さんにリウマチの薬をもらうシーン。
ドーラさんがお母さんに「あなたがこの街に来た時のことをよーく覚えてますよ。目をキラキラさせてちょっと生意気そうで。」と微笑ましく言ってる。
ドーラさんがキキでいうおソノさんみたいな人で、いろいろ支えてくれて今があるのだとしたら。
将来、キキとおソノさんもそんな風に落ち着いた感じで過去を振り返るような場面を想像したらなんか泣けてくる。
原作ではトンボとキキが結婚して双子の姉弟の母になる。
トンボとキキのお父さん。
なんかちょっと似てるよね。
ご清聴ありがとうございました。
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