地域によって味の感じ方が違うのにケンカになる:こども食堂店主のひとりごと

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torakchi

こども食堂【虎吉】店主。整体師。音楽家。水墨画家。バツ3。元女性風俗セラピスト。元PA(音響)。

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店主のひとりごと

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

本日のテーマは『地域によって味の感じ方が違うのにケンカになる』。

 

飲食店をやっていると、かなりの高確率で巻き込まれる味に関する論争。

 

飲食店じゃなくても、テレビとかSNSとかどこでもそういうのは必ずといっていいほどある。

 

あそこの〇〇は美味い!とか。

あれはクソ不味い!とか。

 

虎吉には東京出身の若女将がいるので、お客さんとそういった地域の味の差についての話をしてる。

 

よくあるのがうどんのつゆの話。

 

関西のうどんのつゆは出汁がきいてて旨みがあるけど関東のうどんのつゆは真っ黒で塩っ辛い!っていう関西の人は非常に多い。

 

この論争はホントにいつの時代も尽きないから面白い。

 

関西のうどんのつゆは昆布を基本に鰹節とか煮干しを使って出汁をとって、薄口しょうゆを使ってうどんつゆを作るから色が透明になる。

 

関東は鰹節を基本に昆布や煮干しを補助的にだしをとって、濃口しょうゆを使ってうどんつゆを作るから色が黒っぽくなる。

 

そもそも、関西と関東ではうどんのつゆの呼び名が違う。

関西では「うどんだし」、関東では「うどんつゆ」と呼ぶのが一般的。

 

このうどんの汁の違いは各地域の水質、気候、食文化、歴史の影響によるものなのだそうで。

 

関西の水質は軟らかくて、昆布だしをとるのに適していて、関東の水質は硬くて昆布だしに向いてないから鰹節で濃いだしをとるようになったんだとか。

 

関西はタイやサバなんかを押し寿司にして食べる食文化で、しょうゆを使うことがほとんどなく、関東では江戸前(東京湾)の新鮮な魚介を刺身で食べる文化で、しょうゆを使うことが好まれてた。

 

そういうのが現在のうどんの味の違いの土台になってるんだとか。

さらにいえばうどんの本場・香川ではつゆをうどんにかけて食べる「ぶっかけうどん」、名古屋では味噌煮込みうどん、お隣の三重では伊勢うどん。

 

各地域でいろんなうどんの食べ方がそれぞれあって、どれも美味しい。

 

茨城県のつくば市に3年ほど住んでたことがあるけど、特に関東のうどんが不味いなんて思ったこともなく、普通に美味しかった。

 

僕は小さい時から好きな食べ物はうどん。

およそ40年ずっと変わらない。

 

さらにわりと偏食気味で、ちょっと味が変わったりするだけで受け付けないほど味にうるさいとこがある。

 

そんな僕でも関東のうどんを食べたとて、特に何も思わず平気で美味しく食べれた。

 

そしてそれはこどもの頃の話。

大人になった今、いろんな地域にいろんな味があることを知った。

先ほどの味噌煮込みうどんも、ぶっかけうどんも、伊勢うどんも、大人になってから知ったもの。

こんなうどんの食べ方があるのかー、と。

お出汁で食べるうどんも美味しいけど、それぞれの地域で食べるうどんもそれはそれで美味しい。

そしてそれぞれのうどんにはそれぞれの歴史がある。

 

…っていうふうにみんなが捉えることができたらすごく平和な世界になるのになぁ…と思うのは、味の論争が常に平行線で、他の地域のことを悪く言う人が後を絶たないから。

 

それぞれの地域でそれぞれの歴史があることを思うと、そういうのをみてるのはなんかいい気がしない。

 

とはいえ。

 

偏食なので。

 

「美味しくない」と感じることは多々ある。

魚以外の海の生き物はできれば食べたくない。

 

だけど、それはもうどうしようもない部分。

 

食の好みをコントロールできるものなんだったらしたい。

 

だけど、およそ40年。

変わりゃしねぇ。笑

 

それしか食べるものがない

 

っていう、極限状態に追い込まれれば変わるのかもしれない。

 

海で遭難して無人島に漂流する、とか。

でもそこまでして食の好みを変えようとは今のところ思わない。

 

好き嫌いは人それぞれあるものなのでどうすることもできない。

自分でコントロールできないものを他人がどうしようというのか。

 

それを人に押し付けようとするから論争が起きて、決着がつくことがない。

 

ずーっと平行線。

 

「美味しい」も「不味い」もどう感じるかは人それぞれ。

その「食べ物」自体は何も悪くない。

同じ地域で生活する人間が、全員その土地の食文化を好きというわけでもない。

うどんの国・香川県に住む人全員がうどんを好きかというとそんなことはないはずだ。

 

関東の人でも真っ黒なうどんはダメだけど関西の透明なうどんはイけるっていう人もいるかもしれない。

 

それを関東だから関西だからっていう理由だけで決めつけるのは浅はかすぎる。

 

10人いたら10通りの好きがある。

 

それを他人がどうこう言ったって何も生まれない。

 

好きを語るだけならむしろ素晴らしいと思う。

あそこのアレめっちゃ美味しいねん♡

 

とか。

 

そういうのはみてると幸せになれる。

それが僕の中で無理なものだったら迷わずに「ムリ!」って言うけど、その言ったことに対して「あ、そうなーん?♡」って笑って言ってくれる人は仲良くなれる。

ちゃんと僕自身をみてくれてる証拠だ。

だけど、それを「なんであんな美味しいものを…」とか言ってくる人は仲良くなれない。

 

それが明らかに冗談って分かるような言い方とかテンションだと、そこからまた話が繋がって面白いトークを展開できるからいい。

でも、たまにガチンコで言う人もいる。

そういう人がよく論争を起こしてるけど、そういう人は「人」をみてはいない。

自分が育った地域を誇りに思ってるが故なのか。

ただただマウントをとりたいだけなのか。

真相はわからない。

いずれにせよ、人の気持ちを考えない人はそういうことをしがち。

誰も幸せになれないよねー。

 

ご清聴ありがとうございました。

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