こども食堂のいいところ:こども食堂店主のひとりごと

こども食堂とは

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

本日のテーマは『こども食堂のいいところ』。

 

こども食堂をオープンして1年とちょっとが経った。

 

常連のお客さんも少しずつ増えてきた。

 

大人もこどもも。

 

虎吉で過ごした1年は今まで生きてきた中でもトップクラスに濃い時間になってて、長かったような短かったような、自分でもよくわからない状況にある。

 

ただ、ひとつ言えることは、いろんな人に支えられてるなーということをこれほどまでに感じたことがないっていうこと。

 

それが濃い時間って感じる部分なんだろうな、と。

 

こども食堂をやっててよかった、って思える瞬間に何度も立ち会った。

 

知らない人同士の大人とこどもが普通に絡んでしゃべってワチャワチャしてる時。

 

こどもの成長が垣間見えた時。

 

大人が飲みついでにチケットを買ってくれた時。

 

通りすがりの名前も知らない人が食材を「使ってください」って持ってきてくれた時。

 

虎吉で初めて会った大人同士が意気投合して「2軒目いってくるわー!」って言った時。

 

SNSとかネットを通じて会ったこともない人が応援してくれた時。

そしてチケットを買ってくれた時。

 

こどもたちの親が「お世話になってます」ってわざわざ挨拶に来てくれた時。

 

昨今、人と人との距離がどんどん遠くなっていってる中、虎吉はいい意味で時代を逆行してる感がある。

 

昭和の時代にはこういうお店がたくさんあったけど最近はとんと減った、って常連のお客さんが言う。

 

僕自身、昭和生まれで、小さい頃過ごした場所は近所づきあいが盛んで町全体が温かく感じてた。

 

ほどなくして時代は平成に突入して、思春期を迎える頃にはすでに世の中は混沌としていた。

 

それからというもの、時代が進むにつれてどんどん人が人じゃなくなっていってる感じがする。

 

でもそんなのは生きてる感じがしないし、人ってもっと温かいもののハズだ、っていうのを自分で体験してるからどうにかしたいっていう気持ちは常にあった。

 

そんな中、いろんなことが重なって虎吉というこども食堂を運営することになった。

 

虎吉を始める前にいろんなことを調べてみた。

 

こども食堂ってどんなところなんだろう、とか。

 

どういう形態で運営してるんだろう、とか。

 

調べれるだけ調べてみても、毎日やってるところはなくて、ひとつの疑問が生まれた。

 

なんで毎日やらないんだろう?と。

 

世の中のこども食堂は平均すると月に1、2回ぐらい開催してる。

中には週に2、3回ってところもあるけど、ホントに少なくて片手で数えれる程度。

 

大人こども問わず、関わって信頼関係を築くのってすごく時間がかかること。

 

たとえば人間関係でいちばん身近なものは友達。

 

友達だって毎日学校とか職場で顔合わせることで少しずつその人の人間性がみえてきて、少しずつ信頼関係は深まっていく。

 

友達のようなフラットな関係ですらそう。

 

こども食堂は大人が運営して、来るのはこども。

平均30歳ぐらいの年齢差があるので、全然フラットじゃない。

 

いくら大人がフラットに接しようとアピールしてても、こどもにとってはそうじゃない。

 

ならなおさら週1回の運営だと信頼関係は築きにくい。

その日が必ずしもこどもが来れるとは限らないから。

 

信頼関係が出来てない場所だと大人でも入りにくいんだから、こどもにとってはなおのこと入りにくい。

 

そう思って虎吉は毎日オープンすることにした。

 

そうすればこどもたちとの信頼関係はより深いものになっていくんじゃないか、と。

 

それは的中して、今ではすっかりこどもたちの家みたいになってる。

 

こどもたちにとっては羽を伸ばせて自由にくつろげる場所。

 

言いたい放題やりたい放題。笑

 

人と人との距離が遠くなってる現代では、学校なんか落ち着くハズもないし、自分の家ですらくつろげる場所にはならない子もいる。

かといって、外にはそんな場所がない。

公園とかも昔に比べるとすごく遊びにくくなった。

 

大人が狂ってしまっててその巻き添えを食らってる感じだ。

 

ちゃんと向き合えばこどもたちもちゃんと応えてくれる。

 

それがよーーくわかった。

そしていつの間にか彼らは成長してる。

ほんの数か月前まではお子ちゃまだったのが、ちょっと大人の顔をみせたりする。

久しぶりに来た子の身長がビックリするぐらい伸びてたりする。

 

お酒を飲みに来た大人のお客さんは僕とこどもたちとのやり取りをみてギャハハと笑う。

 

僕とこどもたちの信頼関係ができあがってるから、こどもたちとは初対面のお客さんもこどもたちに絡みにいく。

そこはこどもたちは戸惑ってしまってるけれども。笑

 

だからといってこどもたちが大人に絡まれたと文句を言うこともなく。

心の中では思ってるかもしれないけど。笑

 

でもそれで来なくなるとかは今のところないからこどもたちも安心してる部分はあるのかもしれない。

 

そんな、時代を逆行した「人と人との距離が近い」を体験できる場所。

それがこども食堂のいいところ。

そしてその様子を動画にしてSNSにアップしたらそれを面白がって応援したい!っていう声が全国各地から届いた。

 

中には面白がってわざわざ大阪の茨木くんだりまで直接来店してくれる人もいる。

 

世の中には僕みたいな考えを持つ人がけっこうたくさんいて、応援してくれてる。

 

インターネットのおかげで物理的な距離は遠くても、心は近くに感じることができる。

 

そこんとこだけは時代に乗りまくってしまってる。笑

 

こども食堂を運営するのは大変なことだけど、人と人との距離が近くなれる素晴らしい場所。

 

世の中にこういう場所がもっとたくさん増えたらいいな、と思う。

 

ご清聴ありがとうございました。

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