おはようございます。
こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。
本日のテーマは『料理は芸術』。
料理は音楽とか絵画と同じ芸術。
ただの食いモンじゃん。
って考える人もたくさんいるだろうなと思う。
そこは人それぞれ考え方があるので僕なりの考えを。
料理は時に感動を生む。
美味しい!ってのもそうだし。
見た目で心を奪われることもある。
見た目の美しさはホントに芸術だと思う。
日本料理、フランス料理、イタリア料理、などなど。
料理人みたいなことしてるくせに料理の知識はあんまりないワタクシ虎吉店主。笑
そういう見た目の美しい料理を食べる場所っていうのは、わりと高級感あふれるようなところなので、すごく苦手。
だからあんまり行ったことがないのだけれど。
高いしっっ。
テレビとかでみることがあると、見た目の華やかさはすげぇなぁって思う。
配色とか。形とか。
でもそういうのはだいたい魚介類が入ってることが多くて、食べてみたいとは思わない。
僕は魚以外の海の生き物が大の苦手。
イカ、エビ、カニ、タコ、貝類は食べても一向においしいと思わない。
小さい頃からずっと変わらない。
歳を重ねて食の好みが変わるかも、と期待してたけどダメだった。
生まれてこの方、「もったいない」という言葉を何回投げつけられたことだろう。
だからフランス料理、イタリア料理みたいな料理は食べれないものが多いので行きたいと思わないけど、見た目の美しさはすごいなぁと思う。
それぞれの国で見せ方とか配色とか全然違うけど、それぞれにそれぞれの美しさがあって、もうこれは芸術でしかない。
ずっと見てたいほどの美しさで、食べるのがもったいない。いや、食べないんだけども。
虎吉で提供する料理には見た目の美しさは皆無。
一般家庭の料理となんら変わりない。
目的はただひとつ。
美味いかどうか。
でもそれはそれでひとつの芸術だと思う。
芸術っていうと音楽とか絵画とか彫刻とか建築とかってイメージがあるけど、それぞれ視覚的、聴覚的な刺激を受けて、それによって興奮を覚える。
味覚もそれは同じ。
本当に美味いものを食べた時、人は言葉を失うほどの感動を味わう。
本当にすごい音楽とか絵画とかに触れた時、人は言葉を失うほどの感動を味わう。
料理が生む感動は音楽や絵よりも情報量が多くて、脳が渋滞する。
まず見た目で視覚が刺激されて、感動とともに腹が減る。
焼いてる時のジューーーって音とか、食べたりする時のサクッていう音を聴くだけではあんまり感動はしないけど、腹は減る。
料理のいちばんの魅力はなんと言っても味覚と嗅覚がすこぶる刺激されること。
食べる前にまず嗅覚が刺激されて、腹はより一層食べることを求めてくる。
そしてそれを口に入れた時、塩味、辛味、酸味、甘味、苦味、あと旨味、いろんな感覚が刺激されて、脳が幸せホルモンでいっぱいになる。
よくよく考えたら食べることは五感のすべてが刺激されるではないか。
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
触覚は口に入れて噛み締めた時のサクッていう感触とか、舌とほっぺたの内側で素材の感触を楽しめる。
こりゃすげぇ。
音楽は主に聴覚。
絵画は主に視覚。
でも音楽も絵画も生きていく上では別に存在しなくても大丈夫なもの。
だけど料理は違う。
生きていく上で欠かせない。
素材をそのまま食べることもあるけど、それだけだと必要な栄養がとれないこともあるから、料理は絶対に欠かせない。
豚肉とかそのまま食べたらおなかピーピー。
ゆえに料理をしない人でも、誰かが料理したものを買ってそれを食べる。
それはマクドナルドとかカップラーメンも同じ。
マクドナルドはまず工場の人がパンやパティを小麦粉とか牛とかの素材から作る。
それをお店に運んで、お店の人がハンバーガーの形にしてお客さんに提供する。
カップラーメンは工場でいろんな素材から麺とかスープ、具材を作ってカップにぶち込む。それをお店に運んで買った人がお湯を入れて食べる。
誰かが必ず素材を料理してる。
コンビニや飲食店も同じく。
そんな料理のいちばん大事なところは見た目。
味も大事だけど、見た目が美味しそうじゃなかったら口に運ぶ気にもならない。
もうこの時点で芸術よね。
美味そう!って心が動かされてる時点で。
僕は小さい頃から作る人もやってるので、見た目の重要性は理解してるつもり。
華やかさは別に要らないけど、美味そうに見えるかはすごく大事なこと。
視覚を刺激するようにするにはどうしたらいいか、を常に考える。
その上で味をどう組み合わせるか。
複雑にいろんな味が絡み合ってはいても、完成したものはシンプルがいちばんいい。
シンプルイズベスト。
は料理にこそ言えることだな、と。
音楽も絵画もそうだけど、料理は五感すべてで味わうものだから、なお一層難しいのかもしれない。
虎吉でいうと、焼きそばとかからあげなんかがまさにそれだな、と。
焼きそばもからあげも虎吉では人気モノで、いろんな人がくり返し注文してくれる。
焼きそばもからあげもどこの店でもだいたいメニューにあって、日本人がよく食べる料理の代表格。
だからこそ、シンプルに仕上げないといけない。
奇を衒うのもアリだけど、それだとすぐ飽きてしまう。
でも味付けもシンプルにしてしまうと、それはそれで面白みがない。
そこんところのせめぎ合いはもはや音楽を作ったり絵を描いてる時と同じ。
大事なのはまず自分自身が感動すること。
そして自分自身の感覚を大事にすること。
自分で食べてみて「美味い!」ってニヤニヤできるものじゃないとお客さんには出せない。
そのためにはどれだけ時間を使ってでも研究する。
焼きそばもからあげも何回も試行錯誤していろんなことを試した。
レシピも出してるけど、からあげはたくさんの数の調味料を使ってる。
酒、みりん、しょうゆ、ブラックペッパー、マヨネーズ、しょうが、にんにく、みそ、たまご、片栗粉。
調味料じゃないものも混ざってる。笑
あと揚げる直前にまぶす小麦粉。
これだけたくさんの素材を絡めてるので、味わいもそのぶん深くなるのではないか、と。
たぶんバランスを間違えるととんでもねーことになってしまうんだろな、と思う。
でもそれこそが芸術なんだ。
焼きそばも焼きそばソースをふたつ。
おたふくの焼きそばソースと、業務スーパーで売ってる焼きそばソース。
あとカゴメのとんかつソースとオイスターソースとしょうゆ。
フライパンで炒める時にウスターソースも入れる。
たぶんオイスターソースがパンチになってて美味しく感じるんだろな、と。
ほら。
もう芸術だよこれは。
そして何よりも大事なのは食べてくれる人のことを考えること。
自分で感動できるものを作るのは当たり前の話で、その上で食べてくれる人の好みとかも考えて味を変えたりする。
自分ではこれがいい、と思ってても他の人は感覚が同じとは限らない。
その人が「美味い!」と思ってくれる瞬間が何よりも気持ちいい。
それを手放しで言ってくれた時なんかは、また作りたい、って思う。
その感覚はその日の体調とか気分によっても変わるから、コミュニケーションをとることはすごく大切。
夏の暑い日には汗を大量にかくからちょっと塩味を多めにしてみるとか、サッパリしたものを提供してみるとか、その答えは瞬間瞬間で全然変わってくる。
料理は音楽や絵とは違って、常にライブだ。
作ったその場で提供して、すぐに反応が返ってくる。
その瞬間にお客さんの雰囲気を読み取らないと次はない。
こえー。
音楽も絵画も楽しいけど、作る時はわりと孤独だし、反応が返ってくる時は自分も冷静でいられるけど、料理はそうじゃない。
それが面白いところでもあるけど。
そういうせめぎ合いこそが芸術だなと。
料理は芸術だ。
ご清聴ありがとうございました。
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