おはようございます。
こども食堂で出会った中学生男子の「ラッパーになりたい」という夢を応援する企画。
名前はいったん決めたけどあんまりしっくりこなかったので考え中。
ここにその経緯を記していきたいと思います。
名前は「ZIPPO」。
まずなんでこの名前になったのかを説明します。
それは彼が店主である僕にZIPPOのオイルライターをプレゼントしてくれたことから。
中学1年生の彼にとっては大きな大きな出費です。
お小遣いをためてわざわざ買いに行ってくれて半分サプライズでプレゼントしてくれたという話をインスタライブでしたところ、みんなめちゃくちゃ感動してくれて、そこから彼は「ZIPPO」と呼ばれるようになりました。
そして彼の中でもZIPPOの名前は定着し、ラッパーネームとして使うことを決めました。
ZIPPOとの出会いは虎吉オープンから1ヶ月ぐらい。
たしかっっ。
#記憶にない
彼のお母様がまず訪れてくださって、ウチの子がお世話になりますとご挨拶していただきました。
それから数日後、お母様と一緒にご来店。
今でも覚えてる。
からあげ定食を頼んで、黙々とたいらげたことを。
女手一人で育ててるのでしょっちゅうお世話になります、と笑顔で話してくれた彼女にどこかたくましさを感じました。
それからというもの、週に2、3回ZIPPOはひとりでごはんを食べにきていました。
最初の頃は阪神が好きだということで、阪神の試合を観ながら黙々と食べて、食べ終わったらすぐに帰る、といった感じであまりしゃべらない子なんだなーという印象を持ちました。
しゃべったとしてもたまに阪神に関することをちょこっと。
非常に大人しい子でした。
最初は。笑
まさかその当時はこの子がラッパーになりたいという野望を持っているだなんて夢にも思いませんでした。
それぐらい大人しくて寡黙な少年だったのです。
ところが。
家がホントに近所なこともあって彼はずっと週に何回も来ていました。
そのうちに少しずつ彼の心は開いていって、自分からいろんな話をしてくれるようになっていきました。
あれ?こんな子やったっけ?
ってハテナが飛ぶぐらい別人になっていきました。
それどころか、どんどん生意気になっていきました。笑
もはや最初のころの大人しい彼の記憶はこうして無理やり思い出さないと出てこないぐらいです。
最初のころは「お水ください」って言ってたのもいつの間にか「お水ちょーだぁいっっ」に変わりました。
ひどい時には「みずぅぅっっ」と、もはや人にものを頼む態度ではありません。
でも僕自身はそのことを何とも思っていません。
むしろ、心を開いてくれたんだな、と嬉しい気持ちでいっぱいです。
何回も来てるけど全然しゃべってないうちはまだまだ彼の中では僕を試していたところもあるんだと思います。
この大人大丈夫なんかな……と。
そしてようやくそのタガがはずれた途端、せき止めてたダムが一気に解放したかのようにしゃべるしゃべる。笑
でもその頃はまだ彼がラッパーになりたいという野望を持ってるなんて夢にも思わず。
ただただ、生意気な中学1年生の男の子って感じでした。
ZIPPOがよくしゃべるようになってから3〜4ヶ月ぐらいが過ぎたある日、2階で友達何人かとワチャワチャやっていたのを偶然監視カメラでみていたところ、彼がラップを友達に披露しているではありませんか。
そしてそれがなかなかお上手なんです。
それが「ラッパーZIPPO」との初対面でした。
でもその時は友達もたくさんいたので彼には何も言わず、後日ひとりで来た時に「ラップ好きなん?」と聞いてみました。
そしたら彼は「おれラッパーになりたいねん」と。
HIPHOPが好きでずっと聴いてる、と。
いろいろHIPHOPの話をしてくれたのですが、その知識の量に驚きました。
およそ中学生のレベルじゃないな、と。
よっぽど勉強しないと到達できないほどの知識量です。
#僕がHIPHOPに疎いのは内緒
そこで僕の音楽魂に火がつきました。
それだけの熱意があるなら、今のうちからもっとガッツリやった方がいいのでは?
中学生、しかも1年生でこの熱意。
音楽をやる上でいちばん重要な要素は熱意です。
熱意がなければツラい過酷な練習を乗り越えれない。
自身の経験からそのことは骨身にしみてわかっていました。
そしてそれは自分の中でしか育たないシロモノだということも。
それをついこないだまでランドセルを背負ってた彼がすでに持っている。
これはもしかするとすごく面白いことになるかもしれない。
そしてそれはこども食堂という場所のイメージを払拭するいいキッカケになるかもしれない。
そう思った僕は勇気を振り絞ってZIPPOに声をかけてみることにしました。
とはいえ。
いきなりこども食堂の店長にそんなことを言われてもわけがわからないと思ったので、やんわりと。
「HIPHOPやらんの?」
と。
たぶんそんな感じだったと記憶しています。
でも彼はまだその時はそんなことは夢のまた夢ぐらいに思っていて、どっちかっていうと「そんなん無理に決まってるやん」ぐらいの勢いで、超否定的な感じでした。
さてさて。
これからどうしましょ。
次回へ続く。
ご清聴ありがとうございました。
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