肩こり・腰痛その他もろもろ原因不明の身体の痛みの原因

保健室

おはようございます。

こども食堂【虎吉】店主・高木です。

 

元・整骨院院長の高木の経験をもとにした身体のお話です。

 

「スポーツをした」とか「1日中歩いた」とかもなく、特に何も思い当たることがないのに体がだるかったり重かったり痛くなったりする、という話を何百回、何千回と聞いてきました。

 

肩こり、腰痛はその代表的なやつで、他にも膝が痛くなって最終的に人工関節入れる手術をしてリハビリで大変しんどい思いをした、とか。手首が痛くなって腱鞘炎になってお鍋も持てない、とか。足首が痛くて歩くのにも困っている、とか。身体中いたるところでこういうことは起こります。

 

これらにはすべて共通する明確な原因があります。

それは「筋肉が硬くなったこと」です。

 

どうして筋肉が硬くなったら痛みが起こるのか?

 

それを解説します。だいぶ長くなるのでお時間ある時にお読みください。

 

関連記事【肩こりの原因と対策】

 

■痛みの原因は【疲労】

 

筋肉が硬くなる原因は「筋肉に疲労がたまっているから」です。

 

『疲労がたまるほどそんなに運動してない』

 

と、思いました?

 

だいたい皆さんそうおっしゃられます。

でもそうじゃないんです。

 

実は実は。

筋肉は24時間365日休まずに、僕らが意識していなくても縮んだり伸びたりを繰り返していて、むしろ「疲労が溜まるほどの運動」しかしていないのです。

 

たとえば40歳の男性Hさん。

50,600点を超える男性 40代 日本人 のストックフォト、写真、そしてロイヤリティフリーの画像 - iStock

#誰やねん

彼の仕事はバスの運転手ですが、今は運転をほとんどすることがなく、事務所でパソコンの前に1日中座っていることがほとんどだそう。

 

動くことといえば、トイレに行ったり食事をとる時ぐらい。それ以外はほぼパソコンの前でカタカタカタカタ仕事仕事…とみせかけてYouTubeをずっとみていて、ほぼ仕事をしていないそう。
#なんてヤツだ

 

これだけ聞くと、1日中イスに座ってるのでめちゃくちゃ楽そうな感じがしますが、筋肉目線で考えてみると全然楽ではありません。

イスに座るためには背中が伸びている姿勢を保つ必要があります。この時、背中の筋肉や背骨周りの筋肉はずっと縮んだままです。これは猫背だとか姿勢が悪いとかそういうことを差し引いたとしても、姿勢を良くしている人と比べた時、そんなに大差ありません。

他にも、パソコンのモニターを見るためには頭をずっと固定する必要があります。そのために首周辺やの肩周辺の筋肉はずっと縮んだままです。

マウスやキーボードを操作するために手を動かす必要があります。そのために肩、肘、手首、手の周辺の筋肉は縮んだり伸びたりをずっと繰り返しています。

 

ずっと座りっぱなしなのでお尻の筋肉も上半身の重さに圧迫されっぱなしです。圧迫されてつぶれないように、筋肉はある程度の硬さを保とうとするからです。

 

こんな感じで、何もせず動かずにじっとしていても、「パソコンの前に1日ボーッと座っている」だけでも、どこかしらの筋肉はずっと縮んだり伸びたりを繰り返しています。ボーッと1日中YouTubeを観ているだけでも、これだけいろんな筋肉が働いてくれています。これがたとえばバリバリ事務仕事をこなしている人だったとしたら、筋肉の仕事量はHさんの比ではありません。

そりゃー疲労もたまりまっせ。

 

もう1人。

80歳の女性Kさん。

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彼女は仕事をしておらず、年金暮らしです。

なので1日中家でテレビを観ながらボーッとしていることも多いのだとか。

そんな彼女も肩が痛くなったり腰が痛くなったりしています。

その原因は先ほどのHさんと同じように、何もしていなくても常に筋肉が働いてくれているからです。

テレビを観る時にどんな姿勢で観ているのかまではわかりませんが、座って観るにしろ、寝転んで観るにしろ、一定の姿勢を保つためには首、背中、腰、お尻、足、手、あらゆる箇所の筋肉が縮んでいる必要があります。

 

それを1日中ずっとなので、筋肉の立場になって考えてみるとなかなかの仕事量になることはお分かりいただけるかと思います。

でも彼女は「特に何もしていない」と言い張ります。

でも実際は筋肉は常に伸びたり縮んだりを繰り返しているので、「何もしていない」わけでは決してありません。

そりゃー疲労もたまりまっせ。

 

寝ている間でも、起きてる時よりは動きは少ないですが、それでもずーっと同じ体勢でいるわけではなく、寝返りをうったりしてちょいちょい動いています。そんでもって重力があるので筋肉が体重で潰れないようにある程度の硬さは保とうとしています。フローリングみたいな硬いところで寝てしまって起きたら全身痛いのはそのためです。

あと、寝返りをうつ時なんかは筋肉は盛大に縮んだり伸びたりしています。

 

こんな感じで、僕ら人間は生きているだけでどこかしらの筋肉が縮んだり伸びたりしています。

 

そしてそれが当たり前だと思いがちですが、筋肉にとってはそれは結構な重労働なんだ、という認識を持っておくだけでも人生は変わります。

 

 

ケガとかして思うように体が動かない時に「あ、人間って本当はこんなにも力が要るんだ」ってわかるでしょ?

そんな感じですねん。

だから何もしてないつもりでも、疲労は少しずつたまっていきますねん!

 

 

■筋肉のエネルギー

 

さて。

ここから少し踏み込んだお話をします。

 

なかなかマニアックなお話になるので、熟読してくださいませ。
筋肉は縮んだり伸びたりする時にエネルギーを必要とします。

そのエネルギーとは、血液の流れに乗って運ばれた酸素や栄養素です。自動車がガソリンを燃やしてその熱でエンジンを回転させるのと同じように、筋肉も酸素や栄養素を燃やしてその熱を利用して縮んだり伸びたりしています。

 

その時に、燃えカスのような物が出ます。これが「疲労物質」です。乳酸とか呼んだりもします。自動車でいうと排気ガスです。

 

この疲労物質は、筋肉の動きと量に比例します。激しい運動をしたり、長時間同じ姿勢を保っていたりすればそれだけ疲労物質はたくさん出ます。たくさん出れば僕らはそれを認知できるので「疲れた」とか「だるい」といった、自覚症状を感じることができます。

 

日常生活のちょっとした動きでも微量ですが疲労物質は出ています。アスリートとかなら微量でも敏感に感じ取ったりできますが、そうでない一般ピーポーである僕らは、そこまで敏感に感じ取ることはできないことがほとんど。
#アスリートでも感じ取れる人はそんなに多くありません
#だから疲労がたまってケガをするんです

 

疲労物質のほとんどは血管を通じて心臓にかえっていきます。そこから肺を通ってガス交換することによってキレイな血液に生まれ変わります。そしてまた体中を循環して酸素や栄養素を身体中に運んでくれます。
#これを循環器といいます

ところがすべての疲労物質をキレイサッパリ心臓に戻せるわけではなく、わずかではありますが体の中に残ります。

そのわずかな疲労物質は僕らは認知することができません。なのでだいたいの人が放置してしまいます。その放置したわずかな疲労物質は体の中に蓄積していきます。

それはちょうど、タンスとかの裏にホコリが少しずつたまっていくかの如く、、、。

気がついたらいつの間にかホコリだらけになってるじゃないですか?タンスの裏って。

あの感じが体の中の至るところで起きてるんです。これを「タンスの裏理論」とでも呼ぶことにします。

「何もしていないのに痛くなる」の原因はまさにここで、知らない間にどんどんたまっていって、気がつけば大変なことになってるっていう状態です。

 

体のどの部分に蓄積するかというと、「血管の中」です。

太い血管から細い血管まで、いろんな場所に蓄積していきますが、主にたまるのは細い血管です。

 

そして蓄積した疲労物質は血液の流れを悪くしてしまいます。

血液の流れが悪くなるとさらに疲労物質は蓄積していきます。

 

それはまるで、キッチンの排水口にゴミがたまると流れが悪くなってさらにゴミがたまっていくかの如く、、、。

そんな悪循環が体の中で生まれているのです。

 

そして疲労物質が蓄積するにつれて筋肉は少しずつ硬くなっていきます。

ホラ、排水口にたまったゴミってちょっと硬かったりするでしょ?

アレと同じことが血管の中で起きていると考えてもらったらわかりやすいかと思います。

 

筋肉が硬くなると本来の持ってる役割を果たすことができません。

 

☆筋肉の役割

筋肉の主な役割は「骨を動かすこと」です。

他にも血液の流れを補助するポンプ的な役割だったり、衝撃を吸収する緩衝材的な役割もあったりするのですが、9割ぐらいは「骨を動かすこと」です。

人間の体は硬くて真っ直ぐな骨が土台になっていて、それがあるから僕らは重力に逆らって立ったり座ったり歩いたり、いろんな動きができています。もし骨がなかったら、タコのようにフニャフニャで動きがかなり制限されてしまいます。

 

で、そのいろんな動きを影で支えてくれているのが「関節」です。

関節は骨と骨が連結している部分です。膝関節とか肘関節とか肩関節とか、その他もろもろ。

関節があるから腕や足を曲げたり伸ばしたり回したりすることができるのですっ。

なかったらたぶん人間の歴史は変わっていたことでしょう。

 

で、その関節を曲げるために筋肉は付いております。

 

筋肉は関節をまたいで骨に付着していることがほとんどで、単独の骨だけに付着することはほぼないです。で、その筋肉がギューっと縮むと骨と骨が近づいて関節が曲がります。

伸びるときも反対側の筋肉が縮んで関節を伸ばします。

 

例:二の腕には上腕二頭筋の反対側に上腕三頭筋という筋肉が付いています。

#拮抗筋といいます

 

そうやって立ったり座ったり、歩いたりものを取ったりいろんな動きができるようになります。

 

■痛みとの向き合い方

筋肉に疲労がたまると硬くなっていっちゃうっていうわけなのですが、筋肉が硬くなると縮んだり伸びたりすることができなくなるので、「なんか変だな?」と、違和感を感じたりします。これが初期症状です。

この時点では何も感じない人の方が多いです。

#だからこそ放置する

 

なので大体の人が放ったらかしにしてしまうんです。かくいう僕もそう。

 

その違和感を放置するといつの間にかどんどん疲労物質はたまっていって、筋肉はどんどん硬くなっていきます。「タンスの裏理論」です。そして重さや、だるさを感じるようになっていきます。そしてそれがさらにひどくなると今度は痛みを感じるようになります。

 

これが『肩こり』とか『腰痛』の正体です。

肩や首回り、腰回りの筋肉に疲労がたまって硬くなって痛みが起こります。

 

こいつらは筋肉がほぐれると改善するのですが、「治る」という概念は基本的にありません。

マッサージなどをしたりして一時的に和らいだとしても時間が経てばまた痛くなったりします。

その「一時的」が1日なのか、1週間なのか、はたまた1年なのかは人によって変わってきます。1年も痛みがなければ「治った」と思ってしまいますよね。

でも実際には治ったというわけではなく、「何も症状が出てないだけ」です。

さらに日によって筋肉の調子も変わってくるので、「昨日痛かったけど今日は痛くない」みたいなことも平気で起こります。

 

こういうのは年齢を重ねた方が起こりやすいのは間違いないです。まさに「タンスの裏理論」で、1ヶ月掃除もせず放ったらかしの場合と10年放ったらかしの場合とではホコリの量が全然違うことは容易に想像がつくかと思います。

とはいえ。

10代でも20代という若い年齢でも肩はこるし腰も痛くなるし、身体中あちこち痛くなるのも事実です。

 

なので「年だから」というのは半分は正解なのですが、もう半分は「いやいや…年は関係ないよ?」っていうのが僕の見解です。

 

年齢を重ねた人と若い人では筋肉の「硬さの質」が全然違っていて、年齢を重ねた人の方がなんだかねちっこい感じがしてなかなかほぐれにくいという印象です。

とはいえ、その「ねちっこい感じ」にも個人差があって、同じ年齢同じ性別でも仕事とかスポーツ歴とか性格とか、環境とかによって全然違ってきます。

 

こんな感じで人それぞれ個人差はありますが、重力があるこの地球という場所で人間として生活している以上、筋肉に疲労がたまって硬くなってしまうのはどうにもこうにも抗うことができません。

 

タンスの裏にたまったホコリを掃除するしかないように、たまった疲労物質をその都度その都度取り除いて生きていくしかないのです。

 

どうやって取り除くかは、主に3つ。

 

①筋肉に圧をかけてたまった疲労物質をムリヤリ押し流してあげる

→マッサージとか袋に空気を入れて圧迫するやつがそれです。筋肉にダイレクトに圧をかけることでたまった疲労物質が流れてスッキリします。これは場合によっては痛みを伴うこともあります。

 

②筋肉を伸ばして血管を広げて疲労物質の通り道を作る

→ストレッチがそれです。筋肉をのばすと血管も伸びて一時的に血管の面積が広がります。広かったぶん、血液が流れやすくなって疲労物質も流れやすくなります。

 

③筋肉を温めて血管を広げて疲労物質の通り道を作る

と目的は同じです。筋肉を温めると柔らかくなって血管も柔らかくなって面積が広がります。広がったぶん血液が流れやすくなって疲労物質も流れやすくなります。

 

今のところ大きく分けてこの3つの方法があります。

中でも効果が絶大なのは、筋肉にダイレクトに圧をかけるです。

場合によっては1発で痛みから解放されるほどの効果を発揮します。

でもそれには知識と技術とセンスが必要で、何も持ち合わせてない人がやるとかえって逆効果になることもあるので注意が必要です。

 

に比べると効果は薄いものの、毎日継続してやれば必ず効果は表れるのでぜひやってみてください。

 

■痛みに慣れる???

ひとつ注意しないといけないことがあって、それが「痛みに慣れてしまう」ことです。

僕らの体には意思とは無関係に常に健康な状態を維持しようとするシステムが備わっていて、(ホメオスタシスと呼びます)「痛い」っていう感覚はそのシステムのひとつです。

 

体に何か異常事態が発生したときに、痛いという感覚を味あわせてその場から離れさせるためです。

たとえば針が手に刺さった時、あわてて手を引っ込めようとしますよね。あれは「体に危険を及ぼす可能性がある」のでその場から離れさせようとする防御反応です。

 

でもこの「痛い」を我慢してしまう、もしくは我慢せざるを得ないなんてことがよくあります。(特に「我慢が美徳」みたいな文化が浸透してた我が国ニッポンにおいては)

 

我慢して放置しているとある程度時間が経てば次第に痛みは消えていきます。でもそれは痛みが消えてなくなったわけではなく、脳がその痛みに「慣れてしまった」だけなんです。

 

これがいちばん危険な状態で、その部分にたまった疲労物質は残ったままなんですね。

なのでたまった疲労物質の上にさらに疲労物質がたまっていってしまいます。

 

こんな感じで。↓↓↓

 

痛い→慣れる→さらに痛い→慣れる→もっと痛い→慣れる→オーマイガ

 

こんな感じの悪循環が生まれます。最終的には骨に異常が出たり、腱鞘炎になったり、ギックリ腰になったり、確実に悪い事しか起こりません。

 

人間の脳ってスグレモノで、僕らの意思とは無関係に「環境の変化」に柔軟に対応しようとします。

このことが良いか悪いかはその時の状況とかによって変わってくるのですが、もし痛みを感じなくなったらそれは『「治った」わけではないかもしれない』ということを頭の片隅にでも置いといてみてください。

 

大切なことは

①我慢しない

②少しでも違和感を感じたら何か処置をする

です。

少しぐらいなら大丈夫」という気持ちもすごくわかります。

でもその「少し」を積み重ねていくと大変なことになってしまうので、①はまだ大丈夫ですが、②の「何か処置をする」は定期的にやった方がいいです。

 

■筋肉を「鍛える」はNG???

「筋肉を鍛えた方がいいんですか?」と聞かれたことがよくあります。

これは半分正解で半分間違いです。

筋肉を鍛えるのは素晴らしいことなのですが、その前にまず筋肉を柔らかい状態にした方がいいんです。

肩こりとか腰痛のような痛みは筋肉を縮ませるために燃やした酸素や栄養素の燃えカスが蓄積することで起こります。

筋肉を鍛えるということは筋肉に負荷をかけるということです。燃えカスがたまってガチガチに硬くなった状態の筋肉にさらに燃えカスを上乗せしてしまうことになるので、余計に硬くなってしまって痛みはさらに倍増してしまいます。

 

なのでマッサージとかストレッチをして疲労物質を取り除いて筋肉を柔らかい状態にしてから鍛えるといいと思います。

 

 

■まとめ

以上、何もしていないのに体が痛くなる原因をお送りしてまいりました。

 

身体のあらゆる箇所の「痛い」の原因は筋肉に疲労物質がたまって硬くなるからで、それが肩こりや腰痛に繋がっていきます。

そうならないためには、定期的に自分の体をケアして筋肉を柔らかい状態を保つことが必要で、それを自分でやるか、人にやってもらうか、です。

 

虎吉のマスターである僕は元整骨院の先生でもあるので、マッサージは超一流です。

 

ぜひ一度騙されたと思って受けてみてください。

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