令和版こどもとの接し方:こども食堂店主のひとりごと

店主のひとりごと

おはようございます。

 

こども食堂【虎吉】店主・高木のひとりごとです。

 

本日のテーマは『令和版・こどもとの接し方』。

 

昭和生まれの僕がこどもの時の感覚と平成後期に生まれたこどもの感覚とではいろんなものの感じ方が全然違う。

そりゃ30年も経ってるんだから当然と言えば当然なんだけども。

僕の親世代のこども時代と僕のこども時代ではそこまでの差はなかったような感じもする。

 

大きな違いはインターネットの存在。

 

僕らがこどもの時は通信手段といえば固定電話か手紙ぐらい。

 

友達と連絡をとる時は連絡網で調べて電話をかける。

でも本人が電話に出ることはほぼなく、だいたい親が出て「〇〇くんいますか?」というコミュニケーションをとらないといけない。

 

ほんの数秒の世界だったけど、それでもかなり緊張するから、幾度となく躊躇っては受話器に手を伸ばして、みたいなことを繰り返してた。

 

それが好きな人とかになるともうこの世の終わりかってぐらい、心臓が爆発しそうになった。

 

あと手紙。

僕は転校を何回か経験して友達と手紙で文字だけでやり取りをしてた。

手紙をポストに入れてから相手に届くまでは2、3日はかかる。

そこから相手が読んで返事を書いてそれをポストに入れて、ってしてたら全部で1週間ぐらいはかかる。

 

だから必死で文章を考えたし、文字だけじゃ伝わらないから写真も一緒に同封したりして、たった1回のやり取りにすごい熱量を込めてたのが懐かしい。

 

でも今のこどもたちはそんな細かいことは知らない。

存在は知ってるけど実際にやったことがない。

 

スマホとインターネットがあれば個人間での声や文字、写真のやり取りが一瞬で容易にできる。

 

調べたいことがあれば僕ら昭和生まれは図鑑とか辞書といった「本」が主流。

 

でも家に調べたいことの類の本がない時もある。

そういう時は図書館に走ったり学校の図書室に行ったり。

図書館に行けばいろんな本がある。

その中から自分の調べたいことのジャンルの本がある棚にたどり着くまでにけっこう時間がかかったりする。

それが極めてニッチなことだったりするともはや図書館にも存在しないことだってある。

そうなったらもうお手上げ。

 

歳をとってからその道に詳しい人にたまたま出会って、その真実を聞かされたりする。

 

何年越しやねん。笑

 

何事もやり遂げるためには相当な時間と熱量を消費してた。

 

今のこどもたちは調べたいことがあったら、スマホでChromeのアプリを人差し指で押せば一瞬でできる。

 

それだけじゃない。

 

スマホには地図もある。

現在地と地図が画面に表示されて行きたいところにもスっと行ける。

 

スマホ1台とインターネットがあれば大抵のことができてしまう。

 

そんな環境が今のこどもたちには当たり前になってる。

 

虎吉に来るこどもたちもスマホはだいたいひとり1台は持ってて、ご飯を食べながら友達と電話でしゃべったり、LINEで文字のやり取りをしてる。

 

時にはご飯を食べながらスマホを立てかけて動画をみてる。

 

それを咎めることはしない。

 

僕自身もこどもの時、ご飯を食べながらマンガを読んだりするのは大好きだったからだ。

 

親がいればそれは確実に「やめなさい!」と手が飛んできた。

 

でも親がいない時には自由だ。

 

ご飯を食べながらマンガを読むという行為は至極幸せな時間だったから、そういう感覚と似てるのかもしれない。

 

だったら僕がそれを奪ってしまったら彼らの自由を奪うことになる。

 

虎吉はそういうことを教える場所じゃない。

 

話がそれた。

 

似てるところはあれど、そもそもの感覚が違うから接する時はそういう細かいところを気をつけないといけない。

 

でもたぶんほとんどの親は自身がこどもの時に親にされたことをしてしまうから、こどもに対して親にされたことと同じことをしてしまう。

 

スマホで即解決できる現代のこどもはひとつの行動の重みを知らない。

 

その苦労とかがわからないから親が言ってることが理解できない。

表面的なことはわかったつもりでいる。

 

でもその本質までは全然たどり着けていない。

 

事細かに説明すれば理解ができる

 

感覚の違いで生じたズレはなかなか埋まるものじゃない。

 

少なくともこどもの方から大人側に寄り添ってくることはほぼない。

 

こどもはそれが何事なのかも理解ができていない。

理解できるほど考える力もないし経験もない。

 

だから大人が寄り添っていくしかない。

 

大事なのは寄り添い方。

 

事細かに1から10までを丁寧に説明しないと伝わらない。

なんならゼロから0.1単位でホントに細かく説明しないと伝わらない。

 

それでもちゃんと伝わってるかどうかなんてわからない。

 

…っていう覚悟で大人はこどもと接しないといけない。

 

ちょうど虎吉でそんなできごとがあった。

 

こどもたちがふたりでご来店。

 

からあげとかき氷を食べたいと言った。

 

からあげが揚がるのを待っていると、かき氷はすぐできると思ったのか、「かき氷まだ???」と挑発的な態度できた。

 

ムカッときて「自分でやるの?」と聞いたら「自分でやるから置いといて!」と、さらに挑発的な態度できたので、かき氷器と氷とお皿をドンっとちょっと強めに置いた。

 

すると氷のフタを開けることすらできなくてちょっと仏頂面で「開かない」とか言って持ってきた。

 

「だからなに?」と言った。

 

早くしてよ!みたいな態度だったので、

 

「ちゃんと言わないとわからないよ」と。

 

それでもまだ不服そうだったので、「あのね、ここはお店なの、家じゃないの。他にお客さんがいる時とかはあなたたちばっかりを優先するわけにはいかないの」と言った。

 

そしたらわりと不服そうにしながらも大人しくなって言うことを聞いた。

 

そういえばこれまでは1言えば5ぐらいはわかってくれる子たちばっかりだったので、恵まれてたなーと。

 

そんな詳細なことを伝えないとわからない子もいるんだなー、と驚いた。

 

たぶんこんなのはまだまだ序の口で、もっと細かく伝えないといけないんだろうなーと、ヒザがブルブル震えている。

 

ご清聴ありがとうございました。

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