こども食堂「虎吉」を開業するにあたり、ワタクシ店主の高木大輔は飲食店で仕事をしたことはほとんどありません。
学生時代に個人経営の中華料理屋さんで1年ぐらいと、宅配ピザのアルバイトをこれまた1年ぐらい経験したぐらいです。ピザに関しては宅配がメインなので飲食店を経験したとは言い難いですね。
なので飲食店での経歴はほぼほぼ皆無に等しいと言っても過言ではありません。
そんな僕がいきなり飲食店の店主としてやっていくことが果たしてできるのか?
そんなことはやってみないとわかりません。
「できるかどうか」じゃなくて「やるかやらないか」だと思っています。
誰だって最初は初心者です。
飲食店は初心者同然ですが、料理は小さい頃から母に仕込まれてきたのと、自分でも進んで積極的にいろんなものを作ってきました。
中華料理屋さんでバイトしてた時に、マスターがいろんなものを作っているのをマジマジとみて作り方を盗んで家で作ったりしてたので、中華料理はわりと得意です。
その他、こどもが好きそうなメニューはだいたい作れるし、作ったことがない料理でも、だいたいのものはネットにレシピが転がってるのでそれをみれば一瞬で作れます。
たぶん天才なんです。
が。
僕には致命的なところ欠点があります。
それは魚介類が苦手という点です。
魚以外の海の生き物は美味しいと感じたことがありません。
ひとたび口にすればだいたいえずきます。
それでもエビチリとかエビフライとかを作って「めっちゃ美味しい!」と喜んでもらえます。
具材と化したエビとか甲殻類をそのまま味見することはなく、味付けをした他の具材とかスープとかを味見すればなんとでもなります。
後は感覚で作ってるのでたぶん天才なんです。
料理に関しては30年ぐらいの経験値があるので、美味しいと喜んでもらえる自信はあります。
こども食堂ということで、こどもたちと接することが多くなります。
僕の活動経歴の中に少年野球のコーチがありまして、年数でいうと合計10年ぐらい。
その間、いろんなこどもたちをみてきました。
野球をするグランドだけじゃなく、一緒にごはんを食べたり、バーベキューをしたり、キャンプや合宿で寝食をともにしたりして、野球以外のところでもたくさん接することができました。
野球の時はスイッチが入っているので年齢よりもはるかに年上に見えたりします。
でも、ひとたび野球から離れるとやっぱりまだまだ小学生なんだなーと思うことがたくさんありました。
なんせランドセル背負って集団登校してるんですもんねー。
僕は昔からこどもにはナメられる性格です。笑
ナメられるというと少し言葉は悪いですが、要はいじられキャラに徹してる感じです。
これは僕はわざとナメられるように仕向けています。
その方が本気でぶつかってきてくれるから。
僕の経験ですが、こどもをナメてかかる大人が多いのを目の当たりにしてきました。
そういうふうに接するとこどもは本音を隠そうとします。
大人が自分たちの都合のいいようにこども操ろうとしてるだけ。
そうするとこどもはホントのことを言わなくなるから結果的に大人の思うようにはいかない。
野球でいうと怒って指導するタイプの指導者がけっこう多くて、こどもたちは怒られるのがイヤだから頑張ろうとします。
でも裏ではそんな指導者に対する愚痴をこぼしてる。
それってチームとしてどうなんだ?と。
まとまりもクソもないじゃないか。
勝負は時の運なので、そういうチームでもたまたまいい結果を残せることもあります。
でもこどもたちは監督、コーチ指導者に対して顔をうかがいながらプレーをしているので、全然楽しそうじゃありません。
野球の楽しさを教える場所のハズが、そうやって怒って指導するスタイルの指導者が圧倒的に多いもんだから、「中学に入ったら野球なんかやりたくない」と言って野球が嫌いになって辞めていくこどもがけっこう多かったです。
僕が見てきた中では。
そういうのを目の当たりにして、もっとこどもが伸び伸びできる環境にするためにはどうすればいいか?を考えました。
大人たちは基本的にこどもを「こどもだから」とナメてかかることが多いです。
でも彼らはまだ少しの年数しか生きてないから経験値が少ないだけ。
そんなもんは当たり前で、たかだか10年や20年ほど先に生まれていろいろ経験したことがエラいわけでもなんでもありません。
それなのにエラそうにふるまってあげく心を萎縮させてしまっている。
こどもはそういう大人に対しては本音を隠してうわべだけでうまいことつきあっていこうとします。
そういう意味ではどっちが大人だかわかりません。
そして結果的にそこの人間関係は崩壊する。
分析すると、目線が上からになってしまって対等じゃないことがそもそもの原因なんだということがわかりました。
じゃあ同じ目線、もしくはちょっと下から見上げる感じで接するとどうなるんだろう?と考えました。
こどもたちが本気でぶつかってきてくれるのはどんな時だろう?と。
とりあえず話をしてみようと、話をしはじめてもすぐにふざけたり自分のやりたい事に意識がいってしまいます。
彼らはまだガキんちょで集中力がないので、マジメな話をしようとしても1分も持ちません。
そこで僕は彼らの行動や仕草をよく観察することにしました。
何がその子の本質なのかを探るために。
それはそれは十人十色で、一概にどうこう言えるものではないことが判明しました。笑
そこで自身の経験も踏まえて考えたら、
「一緒にいたい」と思わせてくれる大人はすごく受け身でドンと構えていて、こっちが何を言っても笑いに変えてくれる。
そんな大人が自分のまわりにいた記憶が蘇りました。
僕自身、小さい頃にそういう大人に対しては何でも言えたし、 それこそ、その人が仮にハゲてたとしたら「おいコラハゲ!」とか言っても「なんだとぉ〜♡」とか言いながら笑って接してくれる。
すごく愛を感じていました。
そんな器のデカい人になら安心して何でも言えたなーと。
じゃあ僕自身もそういう大人になろう、と。
そう考えて、できるだけこちらからは何も言わずに、とにかく待つ姿勢を作ってドンと構えるようにしました。
最初の頃は警戒して彼らからは何も言ってこなかったですが、ひとり、またひとりと少しずつ話しかけてくれるようになりました。
それは少しは僕に興味をもってくれた、ということです。
そうなったら次はこちらから仕掛けていきます。
他の指導者がマジメな話をしてる時に変な顔をしてふざけたり、脇腹をつついてイタズラをしたりすると、「アホな大人」として認識してくれるようになる。
そしたら彼らの中で上下関係の優劣ができて僕を下にみるようになります。
それができたらもうこっちのもんです。
今度は向こうから積極的にイジってくれるようになっていきました。
でもそれは彼らが心を開いてくれたということ。
彼らは大人よりも純粋な目を持ってるので、この人はイジっても大丈夫、と安心できる人しかイジりません。
そこはちゃんと見極めることができます。
彼らの方がいくらか大人です。
そういう関係性ができると、普段はふざけ合ったりしていますが、いざという時には本音をぶちまけてくれるようになります。
それこそエラそうにふるまう指導者たちの愚痴をこぼしてくれるぐらいに。
そしてこういう出来事は何も野球に限らず、あらゆる場所で起きています。
学校、職場、その他もろもろ。
大人対こどもだけじゃなく大人対大人でも。
そんなわけで、こどもに対しての接し方はじゅうぶん心得ているので特に心配はありません。
大人に対しても基本的には同じです。
少し勝手が違うのがいろんな経験をしてきてるっていうことと、すでに人間が出来上がってることが多いということ。
これが時にはめんどくさかったりするのですが、それはそれで世界が広がるので見方を変えれば面白いなーと。
僕はそのことをパチンコ屋さんの仕事でいろんなことを学びました。
パチンコ屋さんはホントにいろんな人が来ます。
それこそお金持ちの社長さんだったり、キャバ嬢のお姉さんだったり、普通のサラリーマンやOL、何の仕事してるのか分からないような人、もうホントに千差万別です。
そういう人たちと接することでいろんな人がいていろんな考え方があるんだということをたくさん学びました。
僕は性格的にガンガン人の懐に突っ込んでいくタイプなので、けっこう気に入られて可愛がられることが多くて、他の従業員の人たちがつけてくれたあだ名が「マダムキラー」でした。
とにかくマダムにはモテました。
それもマダムだけじゃなく男の人に可愛がられることも多くて、よくお小遣いをもらったりごはん連れていってもらったりして、タイヘンお世話になりました。
そんな経験を経て、整骨院の院長として約10年いろんな人の体の痛いところを和らげる仕事をしてきました。
自分の経験が見事に活きて、そこでもたくさんの人たちにお世話になって、たくさん可愛がってもらいました。
飲食店で働いたことはないけれど、人と接することは大好きだし基本的に人間が好きなので、なんとかやっていけるんじゃないかなーと、調子に乗っています。
よく言われたのが「優しすぎる」です。
それが原因でいろいろトラブルをメイクしてたりします。
それはここで語るには足りないので直接聞いてみてください。
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